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誓約の地/漂流編・56<悪態(4)> 





たまには一緒に過ごしたい!2人っきりの時間が欲しい!


みんなのためにと奔走する優奈を応援しながらも、


恋人同士の時間が欲しいヒョヌは……




ヒョヌ、念願の2人っきりになることが出来るのか?





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 不穏な空気を纏って黙ってしまったヒョヌに、好きな人とするようなものではなかったのだと、優奈は懸命に説明した。

「あれはね、蜘蛛が――」

「くも?」

 怪訝な顔をするヒョヌに、優奈は急いで話しかける。

「昆虫のね、蜘蛛が苦手で。あの時、私に蜘蛛がついてるって。捕ってって頼んだの」

「そうしたら?」

「つい、修平君にしがみついちゃって」

「それで、抱きついた?」

「抱きついたわけじゃないんだけど、結果的にそういう感じになっちゃって。そういうつもりじゃなかったって言ったら――」

「言ったら?」

「――酷いって」

「…………」

 何だかますます機嫌が悪くなっていくヒョヌに、優奈は動揺する。

 やはり、言い訳をするにしても修平の名前を出すべきじゃなかったと、今更ながら後悔した。

 だがそれは、もう遅い。

 ここで下手に隠せば、何かあったと思われる。

 それだけは避けようと新たに決意して、両手を少し握るとヒョヌの言葉を待った。

「修平に言われた?」

「そう」

「…………」

「ほら! もともと前の日の海の砂の事があったでしょ? 修平くんが悪かったって言って、お詫びにってあの場所を教えてくれたんだけど」

「…………」

「好きだって知ってるのに抱きついてきて、実はそんなつもりはないですって、――そう言われて傷ついてる俺にお詫びは? って、言われて」

「キスが、お詫び?」

「…………」

「…………」

「お詫びじゃないって言ったらやり直すっていうから、それはダメって言ったの!」

「嫌がってるようには、見えなかったけど?」

「そんなことないよ!」

「そう?」

「そう! ただ、――なんだか修平くんの様子に笑っちゃったけど」

「…………」




 その時の様子を思い出したのか、優奈は困った顔をしながらも笑っていた。

 イヤならそこは怒るべきだろうと、ヒョヌは虚空を見ながら小さくため息をつく。

 気持はなかったと言いたいのだろうが、どうみても嫌がっているように見えない。

「……オッパ?」

 ヒョヌは首を傾げて呼びかける優奈を見下ろすと、口の端で笑った。

「まぁ、あの頃は別に付き合ってたわけじゃなかったからな」

「え?」

「優奈が何をしても文句を言える立場じゃないけど」

「でももうあんなこといないって、約束して貰ったから」

 約束したから大丈夫だと、今度はそれを力説する優奈を見てヒョヌの身体から力が抜けた。

「優奈。約束っていうのは――」

「ん? 何?」

 破られるかもしれないだろう? と告げようとしてやめた。

 あまりにもバカバカしい。

 優奈もそんなことはわかっているはずだ。

 ただ、何とかヒョヌの誤解を解こうとちょっと必死になっているだけだ。

 そんな事を力説されてもそうだねと納得する男がいるとは思えないが、一生懸命な優奈の気持ちを無下にするのも忍びない。

「――いや、何でも無い」

 もういいとヒョヌが告げても、優奈の力説が続いていく。

「付き合うのも断ったよ? 
 無理だって思っててもオッパを好きだって気付いたら、他の人と付き合うなんてできないって思って! 
 でもあんまり色んな事がいっぺんにあって、あの時はどうしたらいいのか解らなくなっちゃって……」

「告白も、抱きしめるのも、キスするのも……先を越されたな」

 苦笑するヒョヌを見上げながら、優奈は小さく呟いた。

「本当に、断ったんだけど」

 ふとヒョヌが視線を落とすと、彼の勘気を心配した優奈の瞳が揺れているのがわかる。

 懸命に説明を続ける優奈を腕の中収めると、気付かれないように小さく笑う。

 全身で自分への想いを伝えてくる優奈を、疑っているわけではない。

 必死に信じてほしいと訴える優奈が可愛くて、ワザと抱きくるめたままちょっと拗ねたように問いかけた。

「本当に?」

「本当に! 修平くんとのことは、私の意思じゃないよ?」

「…………」

「どうして黙るの?」

「そういうことか」

「そういうことって? ――嘘じゃないよ?」

 は、少し身体を離して優奈の瞳を覗きこんだ。

 自分を見上げる不安げな表情に、つい頬が弛みそうになる。

「――もう、僕だけだって誓う?」

「誓う」

「じゃあ、確かめていい?」

「うん。――ん? どうやって?」














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Comment

こんばんは、なによしです。
とうとう二人に大人の恋愛が始まるのか!?
毎度のことですが、目がはなせないです!
しかし次回が待ち遠しい・・・!
閲覧注意って・・・やぱり・・・その・・・
愛の営みかしらん、と期待している自分は汚れきっている(-_-;)
応援全ポチしておきました!
Re: タイトルなし
なによしさん、こんばんは^^
読んでくださってありがとうございます^^
ふふふ。。。
もしよかったら読んでください^^
感想は……恥かしいのでコメ欄閉じるかもしれませんが^^
汚れてませんよ~~
このブログはR18あり得ますと言ってますから^^;
その時は、PW掛けますけどね*^^*
――ブロともは読めちゃうみたいですけど(笑)
  • 2011/10/22 02:12
  • YUKA
  • URL
こんにちは
閲覧注意

なんて素敵な響きなんだ

ww
  • 2011/10/22 12:08
  • いちごはニガテ
  • URL
いちごはニガテさん、 こんにちは^^
いちごはニガテさん、こんにちは^^
あはは。
PWかけない時は、少年少女対応ですから
御期待にお応えできるかはわかりませんが*^^*

  • 2011/10/22 13:51
  • YUKA
  • URL
うわー、うん、まあヒョヌさんが優奈ちゃんと修平くんの間にあったこと、まだ嫉妬しているのは…これはしょうがないんでしょうねぇ。。。
もし逆の立場だったら、やっぱり優奈ちゃんが焼きもち焼いちゃうんだろうし。好きな人がライバルとキスしてる現場を見ちゃうのはきついですもんね。

おっとー。いよいよ色っぽいシーンになるのか…どきどき。
西幻響子さん
西弁響子さん、おはようございます^^
ですね~~
ま、ヒョヌの言う通り、ほぼ全部先を越されてますから(笑)
残りは1つ……(自主規制
自分のヘタレさを忘れ、ヤツ当たりです^^;
優奈が拗ねて、ヒョヌが慌てる図もいいかも~♪
ヒョヌは実は、独占欲、征服欲、庇護欲が強いんです^^
あやつ、優奈を自分のモノ扱いです(苦笑)
  • 2011/10/30 09:25
  • YUKA
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