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弄月


珍しくほろ酔いで、ふわふわとしながら文字を綴っている。

ちょうど土日にあたるので多くの人はやり過ごせるだろうと思うのだけれど、週末もがっつり仕事の入っている私は、今から公共機関の遅延に慄いている。朝のニュースを見ながら「まじかー」と人ごとのように呟いてから仕事に出た。週末は関東に台風上陸らしいです。

今日の夜は新規クラスのスタート日だった。仕事に関していえば私に「物怖じ」という言葉は存在しないのだけれど、そんな私でも初日は少し緊張する。ここ数年、夏は夜間にクラスが始まるので、とうとう来たなー始まるなーと少し憂鬱になった。暑いからだ。と夏のせいにする。日中の仕事からの移動中に頭の中で授業を組み立てておく。何年やっていても毎回同じという訳にはいかず、今日はいい感じだったなぁとか、ちょっと失敗したなとか、自分の話術と手腕に一喜一憂するのだけれど、蓋を開けてみれば全てが杞憂に終わり、なかなかいい雰囲気でスタートを切った。

時々、授業は生き物みたいだなぁと思うことがある。講義の構成は講師の仕事であるのだけれど、ライブ授業は相手との関わり方によって進行に影響が出るものなので、互いに乗せて乗せられて進行する授業は面白くなる。初日はその雰囲気作りに9割のエネルギーを注ぎ込んでしまう。子供は正直で楽しいことに敏感なので、ある意味恐ろしくわかりやすいのだけれど、大人の好奇心だって捨てたもんじゃないと思う。子供ほど自由に上手く引き出せない程度に年を重ねて固まってしまっただけで。互いに初顔合わせで様子を伺う固い雰囲気を払拭できるか。まずは緊張をどう取り除くか。いかに笑顔を引きだすか。集中と視線を集められるか。
それが上手くいけば今後は多少の無茶ブリも許されるってもんです。

人に個性があるように、授業進行にもそれぞれ講師の個性がでるのだけど、私はアカデミックなタイプではないので、少しくだけた雰囲気の方がやりやすい。講師と生徒となれば、講師は圧倒的な強者で知識を切り売りする仕事ではあるけれど、授業は人と人が絡んで作り上げていくものだとつくづく思う。今日は上手くいった、と思いたい。久々に充実した初回だった。ほんとありがたい。

帰宅途中、いつもの駅でふいに空を見上げると、薄雲の間からまん丸の月が顔を出してこっちを見ていた。きらきらと眩しい太陽よりも、どうやら私は月に惹かれるようで、空を見上げるのは圧倒的に夜が多い。この間まで「夏は痛い」なんて言っていたのに、夜の東京は暑くもなく寒くもなく、嘘みたいな気候の変化には戸惑ってしまう。夏も夏バテしたのか?とかなんとか相変わらずしょーもないことを考えて月を追いかけながら帰宅した。

あまりにもいい季候なので、帰宅してシャワーのあと、珍しく缶ビールなんぞ持ち出してベランダに出た。明日からのあれやこれやは見ないふりをして、音楽を聴きながらビール片手に月を見上げ、なけなしの自由を満喫する。このままそろそろとベッドに潜り込んで寝ているうちに、どこぞの国の妖精が繁雑なあれこれを全て仕立ててくれないだろうか。お礼にお菓子を差し上げましょう。
この際、ちっさいおっさんでもかまわない。




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