FC2ブログ
QLOOKアクセス解析

光と影のエチュード 6月光トカゲ

飾り33
  誓約の地 × 【侵蝕恋愛】
〈杏子視点〉



ずっと、ひとりなの?





月光トカゲ★★
飾り34




 セイレンから連絡があったのは翌日の真夜中だった。
『――お電話が入っております』
 無意識に時計を見ると午前1時を回っている。
 少しばかり非常識な時間に苦笑したが、いつでもと言ったのは私だ。
 外線は絶対に回してほしいと伝えていたから、受話器から聞こえる声に「繋いで」と声をかけた。

「……今から?」
 受話器を置くと、隣で修平が「どうした?」と眉をひそめている。
「出掛けるから準備して」
「俺も?」
「そう。全員でね」
 そう言ってガウンを端折ると、ベッドから脚を下ろした。

 急いで身支度をすませて、4人で待ち合わせの場所に着いたのはそれから40分後。
 無理やり呼びつけたハイヤーで指定された場所まで来ると車を降りた。

 目の前には草原が広がっている。
 綺麗な満月がくっきりと夜空に浮かんでいるのに、零れるような星が競うように瞬いている。
 月と星が競演するあり得ない情景に少し目を細めた。
 明りに照らされた草花が時折風に揺れる、静寂に満ちた夜。

――なぜ、ここに?

 疑問の浮かぶ視線の先で、月に縁取られたセイレンが手を振っていた。






「どうしたの? こんな時間に」
 声をかけると「準備に時間がかかった」とセイレンが笑っている。

――準備?

 視線を落とした先に、バケツがいくつも置いてあるのが見えた。
「それは?」
「朝からいっぱい獲ったんだ。最近獲って無かったけど、思い出して。……見る?」
 とりあえず頷くと、楽しそうに笑っているセイレンはゆっくりバケツの蓋を開けた。

「……これ、は?」
 嫌いじゃない。でも思わず後ずさった。
 バケツの中には無数のトカゲ。しかもその全てが……動いている。
 ここにはあと3つも同じようなバケツがあった。考えただけで少し鳥肌が立つ。
「お前もそんな顔をするんだな」
 何故か嬉しそうな顔をする修平を睨みつけた。

「これ……月光トカゲ?」
 セイレンの横にしゃがんだ優奈が、バケツを覗きこみながら問いかけている。
 そう言えば、この子は意外とこういうものに動じない。
『昆虫はダメだけど、ハ虫類は平気』
 そんなことを言っていたと思いだした。

「知ってるの?」
「聞いた事があるだけ。初めて見た!」
 そう言って嬉しそうに目を輝かせている。本当にわからない子だ。
 その隣で、セイレンも嬉しそうに笑っている。

『ここでしか生息できない固有種が多いの』
 そう言えば資料を片手に優奈が話してくれた。月の花しかり、月光トカゲしかり。
 このトカゲは、背中の模様が月明かりに反応して青白い光を放つという、〈ラ・ルーナ〉にしか棲息していない爬虫類の一種だそうだ。

「どうするの?」
「放すの」
「全部?」
 頷くセイレンは「見てて」と言いながらバケツをひっくり返していった。








kako-XJrb0KnsXrsQyJLf.jpg








 それは驚くほど幻想的な光景だった。

 いっせいに放たれたトカゲは月灯りを浴びて青白く輝き、その光が風に舞うように揺れていた。
 光の粒は徐々に広がり、気がつけば地上に星空が描かれていく。

「これは……凄いな」
 修平の呟きを聞きながら、その光景に魅入っていた。

 この地上の空の中で、セイレンはひっそりと立っていた。
 セイレンの肌は月灯りを纏って一層輝きを増している。
 まるで、地上に降りた月のように。

 空と空に挟まれる、不思議な感覚を味わった。
 この街で、ここでしか見れない光景。
 セイレンが用意してくれた旅の想い出。


「ありがとう、セイレン」
 優奈の澄んだ声が風に乗って響く。感動で震えてるのがわかる。
 その声に弾かれるように、全員でセイレンを見た。感謝を伝えたかった。




「なにも、なかった」


 少し視線を落として呟くセイレンの小さな声が、風に乗って耳に届いた。
「え?」と聞き返す私に少し微笑んで、もう一度地上に広がる夜空のような光景に目を向けていく。

「この街の、わたしが感じる、この街らしいところ。ずっとずっと……たくさん考えたのに、わからなかった。思い出せなくて。何もないんだって、思い出した。想い出……なにもないんだって思い出した」

 独白のような言葉だけが私の中に潜り込んできた。
「だから上手に、できないんだよ」
 哀しみとも切なさとも区別のつかない感情が流れ込んで来て、心を掴まれる。

「いつも、出来ないんだ。みんなみたいに、上手くできない。ひまわりは咲かないし、男の子にはなれないし、女の子にもなれない。エルルは女の子だから、女の子になりたかったのに。だからちゃんとエルルになれなかった。とてもなりたかったのに」
「……セイレン?」
「セイレンじゃイヤ。セイレンじゃダメなの。幸せは、セイレンじゃダメなんだよ。……でも幸せってよくわからない。上手く出来たらいいのに、そう思うのに……いつもいつも……」

「何を言って――」
 問いかけに呼応するように、突然風が吹いた。
 セイレンの黒髪が巻き上げられて、闇の中をまるで生き物のようにうねる。
 その風は私たちとセイレンの間を吹き抜けていく。

「だからね。ちゃんと、代用品にもなれないんだよ」


 目の前に広がる光景は変わらない。
 それでもその冷たい風は、薄いベールのように幕を下ろしていた。

 それからゆっくりと話すセイレンの断片が、過去を現在を淡々と縁取っていく。
〈太陽の家〉という孤児院で育ったこと。
 そこには友達もいて、親代わりにあたるセンセイがいること。
 言葉の先にセイレンの姿が霞んで見える。でもその輪郭はおぼろげで、はっきりと映し出してはこない。
 まるで薄雲に覆われた月のように、うっすらと淡い光を滲ませているだけ。
 ぽつりぽつりと紡ぐ言葉に、私は暫く耳をすませていた。

「お父さんとか、お母さんに連れて行ってもらったところ、友達と行ったところ。素敵だよっていえるところ、いい所だよって思うところ。そういうのも、なにもない。わたしには、ないんだ」

『家族と出掛けた場所で、想い出の場所とかないの?』
 どこがいいかと悩んでいて、バイト先の同僚にそう言われたとセイレンは笑った。
 感情の読めない冷静な声で「りょうしん、は、居ないから」と笑った。
「別に、平気」そう言って笑った。
「寂しいも、哀しいも、よくわからないから。そういうの、よくわからない」
 そう言って、静かに笑っていた。

 そこにいるセイレンは、ひとりだった。
 ここには私たちもいるのに、それでも限りなくひとりだった。
 ひとりであることに慣れているわけではない。ひとりであることを諦めているのでもない。
 当り前のようにひとりでいる。

 まるで、はじめからひとりみたいに。
 今までも、今も、これから先も。

――ずっと、ひとりだったの? いつも、ひとりだったの? 本当に?

 その想いが痛烈に心を締め付ける。
 セイレンはただ、たったひとりでそこに立っていた。


「でも、もっと考えて、いっぱいいっぱい考えて、それでね、思い出した。ずっと昔、いっぱい集めて、全部放して、きれいだねって笑って……思い出したの。忘れてたわけじゃないけど、思い出したの」

 それは楽しい想い出なのか、それとも切ない思い出なのかわからない。
 懐かしむように揺れる紅い瞳には、そのどちらとも言えない感情が溢れていて、私を困惑させていく。

「これなら見せてあげられる。きれいでしょう? って、教えてあげられるって思ったから」
 でも本当は秘密なんだよと、恥ずかしそうに笑うセイレンの笑顔に声も出なかった。

『朝からいっぱい獲ったんだ』
 そう言っていた。
 セイレンの腕にも首筋にも、まだ乾いた土が残っている。
 履いている細身のズボンの裾には、膝下まで点々と泥が跳ねていた。

――朝から? 今まで? これを、見せるために?

 声には出さなかった。
 不覚にも震えてしまいそうだったから。
 これだけの量のトカゲを捕獲するのは、どれだけ大変だっただろう。

 見ず知らずと言っていいほどの通りすがり。気紛れな旅行者。
 そんな私の放った気紛れなお願いに、精一杯で返してくれた。
 それが嬉しくて、でも同時になぜなのか疑問に思った。
「どうして、そんな大切な想い出を見せてくれたの?」

「やっぱり上手く出来なかった。でも……嬉しかった、から。だから、ありがとう」
 その答えは答えになっていない。
 それでもセイレンが言いたいことは、すぐにわかった。
 あの日のことを言っているのだ。あのカフェの出来事を。
 修平と目があった。その隣で小さく微笑んでいるヒョヌさんも理解したようだ。

――たった、あれだけのことで?

 カフェでなんとなく目を引いたセイレンに興味を持った。傲慢な店長にも本気で腹を立てた。
 だから咄嗟に庇った。あの時の気持ちは嘘じゃない。
 興味を持ってずっと眼で追っていた。人を惹きつける魅力を持った子だと思った。
 それはきっと、修平もヒョヌさんも同じ。

 それがなんなのか見極めたくて、見極めづらさにもっと興味を抱いて声をかけた。
 でもそれは、ちょっとした気紛れだったはずなのに。

 その時、セイレンが振り向いた。
 月灯りに照らされたその顔に、ぞくりと身体が震える。
 透きとおるほど白い肌は、辺りを埋め尽くす青白い灯りに照らされてますます輝き、闇を引き連れて嫣然と笑っていた。
 そこにいるのは、たどたどしく言葉を紡いでいた不器用な少女ではない。
 艶やかで謎めいていて魅惑的で、圧倒的な存在感を醸し出している。

――月の女神。

 そうだったのかと思った。だから惹かれたのだ。
 ああ、そうか。


「あったじゃない。これは、セイレンの大切な想い出なんでしょう?」
 そう問いかけると、綺麗な赤い瞳が揺れる。暫くしてぽつりと声が零れた。
「うん。想い、出」
「わたしにもあった」と笑う顔がとても静かで、それがとても綺麗で、何故か無償に泣きたくなった。

 どんな想い出だったのか聞くことはしない。これ以上想い出に踏み込んではいけない。
 なにより今にも泣き出しそうな顔で、心から嬉しそうな笑顔で、その想い出に揺れる瞳があまりにも綺麗で、それ以上聞くことなんてできなかった。

 大切な想い出なのだろうと思う。今でもそんなにまで心が揺れるほどの、大切な想い出。
 大切な想い出にこれ以上踏み込まない。
 それでいい。それで充分だった。



「私たちも、混ぜてくれない?」
 セイレンの紅い瞳が私を捉えていた。
「セイレンの友達に」
 驚いたように目を見張って首を傾げている。その仕草があまりにも可愛くて、思わず笑ってしまった。
「ともだち、に?」
「ええ。……ダメかしら?」
「なんで?」
「セイレンを気に入ったから」
「でも、わたしなんか、わたし、ともだちになっても……」
「セイレンが嫌なら仕方ないわ。無理してなるものじゃないから。でも私はセイレンが気に入ってるの。だから友達になりたいのよ。……嫌かしら?」
「い、いやじゃないよ! 嫌だなんて……そんなこと、思わない」
「じゃあ決まりね」

 少しばかり強引に話を切り上げると、優奈が噴き出した。
「なによ?」
「別に。ただね……変わらないなぁと思って」
 そう言って、目の端を拭いながら笑い続けている。
 最近ふてぶてしさを身につけた優奈は、私が少し睨んでも動じない。

――全く、誰のせいかしら。

 何となく面白くなくて、八つ当たり気味にヒョヌさんを睨みつける。
 同時に修平の苦笑が目に飛び込んできて我に返った。

――ま、いいわ。

 いつまでも笑い続ける優奈は無視することにして、セイレンの顔を覗きこんだ。
 紅い瞳に私が映る。

「お礼をさせてくれない?」
「お礼?」
「そう。素敵な秘密の想い出を教えてくれた、お礼」
 目の端で修平が肩を竦めている。それでもその顔には笑みが浮かんでいた。

「……想い出を作ろうか」
 光の揺れる草原を見つめながら、優奈がそう呟いた。
「セイレンが忘れられない、いつでも思い出せる素敵な想い出を、私たちとも作ろう」
 それは私の中にある言葉だった。たぶん優奈も私と同じことを考えている。
 私の計画に、優奈が珍しく積極的に乗った瞬間だった。

「想い出を贈るわ」
「なんで?」
「友達になったから」
「……ともだちには、想い出を贈るの?」
「そうよ」
 ゆっくりと微笑みかける。
 そんな私に、セイレンは少し困った顔をして笑った。
 切なさで抱きしめたくなる、そんな笑顔で。

「わたし、わたしには……あげられない。あげるもの、ないから。……お金も、ないし」
「物をあげるんじゃないわ。時間を共有するのよ」
「時間?」
「お金はあっても無くてもいいの。必要なら惜しまないだけ。でも本当に惜しんじゃいけないのは、気持ち」
「気持ち……?」
 セイレンの問いかけに、優奈と二人で頷いてみせた。

「気持ちだけはいっぱい持ちよるのよ。喜んでもらうために、めいいっぱい張り切るの。全力で。それでも喜んでくれるかな? もっといい方法はないかな? そうやって考えていると凄くドキドキして、緊張して、でもとても楽しくなるの。それで喜んでくれたら、それで充分なの」

 そう言って優奈が微笑んだ。その後を私が引き受ける。

「本当は傍にいて、小さな時間を積み重ねて友達になっていく。特別なことなんていらないの。そういう友達に距離は関係ないわ。でも私たちはあっという間に帰らなきゃいけないでしょう? 時間を共有する、想い出を作る時間はとても短い。それでも私たちは友達になった。だから離れていても思い出せる、思い出すたびに心がいっぱいになる想い出を作りましょう」

 黙ってみていたヒョヌさんと修平が楽しそうに笑っている。
「いいね。そういうの」
「及ばずながら、俺らも参加するぞ?」
 優奈と顔を見合わせた。
「当然よね。最大限努力して頂くわ」
「協力してね?」
 優奈が珍しく乗り気だ。
 なぜか急に腰の引けた2人に思わず笑いがこみ上げる。

「ともだちが……喜んで、くれなかったら?」
 セイレンの不安げな疑問が零れ落ちた。
 なぜだろう。
 セイレンを見ていると切なさで胸が苦しくなる。愛しさで抱きしめてあげたくなる。

――不思議な子。

 視線を流すと優奈も私を見ている。
「大丈夫。ちゃんと伝わるわ」
「友達にはね」
 2人で目を合わせて小さく笑った。

「ともだち」
 セイレンの小さな呟きが、幻想的な光で溢れる草原にぽつりと零れた。

 随分と長い時間をここで過ごした気がする。それでもまだ闇は深い。






 見上げると、冴えた空気の中に満面の月が浮かんでいた。














飾り34


こんばんは、YUKAです。
今回も私の敬愛するcanariaさんが運営するブログ「音速形而少年」で綴られている【侵蝕恋愛】と「誓約の地」のコラボ企画……という名の2次小説です。(そう言えば、作者自ら2次小説書くってどうなんだろう)
月光トカゲが放たれた幻想的な光景。文章では限界がありますね><。
補完を兼ねて、抽象イメージ画を挟んでみました。抽象過ぎてわかりづらいのが難点です(;´▽`A

でも!朗報! YUKAがイメージする彼らの目の前に広がっていた光景を共有する事ができるのです!
その素敵なイラストたちはコチラで見れますよ~^^ ➡孤児院日誌(10)
優奈たちが感動したこの街特有の「月光トカゲ」が作り出す世界。既にご覧になった方もまだの方も、是非見に行ってください♪そしてそのイメージで読んでください!
(……と、拙い文章の補完をcanariaさんの素敵なイラストに頼ってみる(苦笑))

今回の話は一番の難産でした。私の中に想いだけは溢れているのに、上手く言葉にできないもどかしさを痛烈に感じて。実は一番最後に完成した回です。そして一番思い入れのある話になりました。決して悲観しているわけでも無理しているわけでもない、感情を込めずに淡々と語るセイレンの言葉で、杏子の中に巻き起こる何と形容したらいいのかわからない感情の粒を感じて頂けたら嬉しいです。
今回はいつも以上に話が長文でしたので、後の語りは頂いたコメント返信で!(*´∇`*)b
なんだか「詳しくはWebで!」みたいな文句だけど。(しかも頂く気満々だし)
ここまで読んでくださった皆様、今回もありがとうございました!
関連記事

Comment

こんばんは〜(^^)
>「想い出を贈るわ」

これは、この回の言葉だったのですね!まさかこちらの方だったとは・・・
バトンでお見かけした時から印象に残っていたので、この台詞を目にした瞬間、今回の一番のキーワードであり杏子さんの想いが全て集約されている言葉のように思いました・・・!!



男の子にも女の子にもエルルにもなれない、ひまわりも咲かない、代用品にもなれない・・・というセイレンの台詞を読んで、YUKAさんはこんな風にお感じになられてたのだな・・・と改めて思いました。ひまわりが咲かない、は、4月のトップ絵から、新たに書きたして下さったのでしょうか・・・!


月光トカゲ初登場の時に、子どもセイレンは自分の気持ちをセンセイに伝えていましたが、あの回は、受け取る方によって解釈が様々になるだろうな、と思っていました。
杏子さんは一体何を感じ、思っていらっしゃったのか・・・この回が杏子さん視点だったのも、実は必然だったのかもと思いました!
>それでもまだ闇は深い。
・・・かもしれないけれど、・・・
過去に踏み込もうとしないのは、杏子さんもセイレンを通して、何かご自分と似たものを感じたからなのでしょうか??


今回は、YUKAさんの愛情やアプローチ、杏子さんの言葉に出来ない想いをすごく感じました・・・!!
うーん、自分も上手く伝えられないのですが・・・
「詳しくはWebで!」ですか!?もし、よければ、またいろいろお聞かせ願えると嬉しいです^^
今回のフォトイメージ、すごーく素敵です!!そうそう、月光トカゲ、こんな形のトカゲなんです。尾が長いヤモリ系の・・・!!
文中のイメージフォトも、イラストとはまた違う、よりイメージを喚起される、それでいて文章の魅力を壊さない、ぴったりのイメージだと思います^^
最後に仕上がったという今回のお話し、私も、いろいろ考えさせながら、大事に読ませて頂きました^^深夜にも関わらず、セイレンの想いにおつきあい下さった皆様、本当に本当にありがとうございました・・・!!

こんばんは。

ああ、だから「中の人」はケイ様を装って招待状を作ってまで、四人をここへ送り込んだんだなあって、納得しました。

セイレンの孤独を悟り、語り、アクションを起こすのが杏子姐さんなのは納得です。優奈さんではなく、もちろん男性陣でもなく。

あの「侵蝕恋愛」を読む時の切なさともどかしさが、ここからも伝わってきます。「そうじゃないのに」「そんな風に卑下しなくていいのに」「何もしてくれなくても愛してあげるのに」そうディスプレイのこっちから語りたくなる、あの感じ。

いいなあ。杏子姐さんに「友達になって」と言ってもらえる人間なんて、この世にどのくらいいるのかしら。ましてや、今回は四名様セットですものねぇ。どんな想い出づくりとなるのか、来週も楽しみにしています。
  • 2013/04/19 02:58
  • 八少女 夕
  • URL
  • Edit
canaria さん
canariaさん、こんばんは^^
コメントありがとうございます!!いつもいつもコメントを本当にありがとうございます!
canariaさんのコメントを楽しみにしてUPの日を迎えております(*´∇`*)ゆっくりお返事しようと、週末までお返事を伸ばしてしまいましたことをお許しください><。

「想い出を贈るわ」

気付いてくださいましたか! その前に憶えてくださってましたか!!!ありがとうございます^^
そうなのです。ここで使おうと思っていたのです^^セイレンにプレゼント企画(笑)以前何か贈りますとお話したのを憶えているでしょうか? この物語は私からcanariaさんへの、そして【侵蝕恋愛】を読まれている方への、そして何より私のブログに遊びに来てくださる方への贈り物という意味が込められています。ですから「贈り物」というのはいくつかあるこの話のテーマでもあるのです。そしてこの回の1番のKEY。そうなのです!それを気付いてくださるとはっ!さすがですね~~♪嬉しくて有り難くて小躍りしちゃいます(笑)

> 男の子にも女の子にもエルルにもなれない、ひまわりも咲かない、代用品にもなれない

この回が一番最後に完成したとお話していますが、この辺の書き足しはおっしゃる通り後から加筆した部分です。実は「月光トカゲ」のお話が「孤児院日誌」で出た瞬間の驚きは言葉にできません(笑)やばいやばい。全く方向が違っているかも――と焦りまくりで、固唾を飲んでUPを読んでおりました。今現在もお話は決着していないので、実は杏子の言う「心が揺れるほどの想い出」がどんなものだったのかわかっていないのですが(笑)

子供セイレンの回で感じていた想い。そして、孤児院日誌で成長したセイレンの心の声。欲望こそが素直なその人の本質で、その「本当」が欲しいというセイレン、それをくれるなら自分を壊してもかまわないのだと、むしろ壊してくれと懇願するようなセイレン。私も本編を読んで「ああ、やはりそうだったのか」と思っていました。そして同時に、そこに深い孤独を、その孤独からくる哀しいセイレンの心の声を聞いたような気持でいました。
折に触れてセイレンの孤独や壊れかけた心のようなものの断片をお話されたり出されたりしてきたと思うのですが、私はその中で今回の杏子のこの言葉とは少し違う印象を持っています。う~~~ん、言葉にするのはとても難しいのですが^^;杏子の想いも断片で、そしてこの先に出てくる修平視点のセイレンも断片、という感じです。私のセイレンに対する、というか両性に対する想いはどちらかというと修平の語る昔話に集約されているかもしれません。でもcanariaさんが本編で描かれているセイレンへ込めた想いとは違う気がしているのですが^^;

>過去に踏み込もうとしないのは、杏子さんもセイレンを通して、何かご自分と似たものを感じたからなのでしょうか??

まさに!!その通りです。この時の杏子はセイレンの心の闇を、そして孤独を感じ取っているのですが、彼女の過去がその声を聞くことを怖れさせています。それはセイレンを恐れているのではなく、人の心の闇が彼女に思い起こさせるものを恐れています。強気で勝気で唯我独尊的な杏子は、そこから喚起される自分の記憶を恐れている、という感じです。
人一倍人の心の動きを感じてきた勘のいい彼女は今までもたくさんのものを感じてきたはずなのです。でも普段はそれをそれとして受け止め、いなすことのできる強さを持っているのですが、だからこそのジレンマみたいなものでしょうか。私利私欲にまみれる欲望としての闇は平気でも(慣れていても)、自身に向かうような闇に対しては反応する、というか。実はコウジの一件での彼女もそうでした。コウジの行動という欲望よりも、彼の抱えていた心の闇に反応した感じです。優奈も優奈で心に傷を、そして闇を抱えてはいます。でもそれを杏子に頼るでもなく、なぜかその闇まで受け止め、飲み込んでしまおうとする優奈には敵わないと思っているのです。

セイレンの描写は杏子しかいないと思っていました^^セイレン視点では書かないと決めてからというより、セイレンの形容は杏子が一番しっくりくる感じで、はじめから。杏子は優奈に救われてきました。彼女にも心に傷があって、そのことが取り返しのつかないと思った時に壊れかけた心を優奈が救ってくれたのです。だから杏子にとって優奈はいつも一筋の光、暗海を抜けるための灯台のようなものであったと。「本当に一人だったの?ずっと一人だったの?」という心の声は、救われた自分との対比のようなもので、セイレンに対する何とも言えない想いが溢れているという感じでしょうか。そしてその心に、想いに、即座に反応した優奈もまた、セイレンの中の何かに反応しています。(何かってなんだっ(笑))

画像!喜んで頂けたでしょうか?よかった~~~^^これね、探し当てるまでに紆余曲折ありまして(笑)思ったものが見つからなくて半ばあきらめて違う画像を使おうかと思っていたのですが、ひょんなところで見つけて小躍りしました(笑)少し光らせるように光量なども色々何重にもいじっています(笑)諦め無くて良かった~~

そしてイメージphoto(笑)なんて優しく素敵な言葉を!!ありがとうございます!
実はこれ、元画像は水晶の谷なんです^^決して高価すぎず、古くは『水精』と呼び、精霊が宿る霊石として神聖な儀式などに用いられていたと伝えられている水晶。普段の生活にはもちろん、大切な祈祷や儀式など神聖な場所でも用いられ、あるいは病気治療の際にも用いられた、非常に優れた浄化作用をもたらす石。過去も未来も、その人の心のうちまでも映し出してしまうと言われる水晶にも、色々な想いを込めているのです^^私のひそかな、言われなければわからないこだわり(笑)色々加工して、既に原型をほとんど残していませんけどね~(笑)

コメントが嬉しくて有り難いです><。こちらこそ、ちょっと逸れ始めた解釈にも寛大にお付合いくださって、本当にありがとうございます^^色々な方に読んで頂けていますが(主に解析でしかわかりませんが)エチュードの最初の話にも少しずつコメントが入っております^^皆さまの想いも一緒に受け取って頂けたら嬉しいです^^


  • 2013/04/21 00:13
  • YUKA
  • URL
八少女 夕さん
八少女 夕さん、こんばんは^^
コメントありがとうございます!!
ゆっくりお返事しようと、週末までお返事を伸ばしてしまいましたことをお許しください><。

そうなのです!ここはこの物語の転機になるお話で、この先につなげていくための核となる話しなのです。そのためにあの招待状を用意し、セイレンと出会い、一度ケイ様にバッサリはねつけられ、そしてまた別の角度から動いていく原動力を得るために必要だったのです!
……と、中の人は言っております(笑)
そしてそのためには、杏子姐さんを動かす必要があったのです。……と中の人が(笑)

杏子視点でのセイレン。納得して頂けましたか!^^凄く嬉しいです(*´∇`*)
表面上では気付かれない、知ることのできないセイレンの強烈な孤独や淡々と語ることによって浮かび上がってくるセイレンの異質さ、そして内に秘めている孤高の月。それを感じて語れるのは、はじめから杏子しかいない!と思っていました^^
本編の【侵蝕恋愛】でもセイレンの心の内は語られることがほとんどなく、周りの(欲望にまみれた(笑))センセイ視点や起こっている事象によってのみ語られていくセイレンの形容。セイレンを出さないことは考えていなかったのですが、登場人物たちの視点で語ることにしているこの話の構成を考えた時に、セイレン視点はどうするかを悩みました。悩んだ末、canariaさんにもセイレン視点は書かないとご報告していました。セイレンは自ら語るより語られてその輪郭を映し出す方がしっくりくるからなのです。
今後、本編が進んでいけばcanariaさんが書き綴ることがあるかもしれませんが、それはcanariaさんにお任せして(笑)ここはやはり、どう映るか、どんな姿なのか、そこに重点を持ってきました。


> あの「侵蝕恋愛」を読む時の切なさともどかしさが、ここからも伝わってきます。「そうじゃないのに」「そんな風に卑下しなくていいのに」「何もしてくれなくても愛してあげるのに」そうディスプレイのこっちから語りたくなる、あの感じ。

もう本当にありがとうございます!
私も本編を読んでいて、セイレンに対するもどかしさのようなものを感じまくりです。色々な意味で。
唯我独尊的な杏子は、実は物凄く悲観的なタイプで、ここでセイレンに対して感じているものは、彼女の負った過去とも絡んで、切なさ前面押しですが、私の想いの断片は、8話で出てくる修平視点での話にも込めています。こっちは男性視点なので、主に容姿についてですが(笑)少しづつ神話を絡めたり、好き勝手に、でも真剣に遊ばせて頂いています^^

まぁ~~~八少女さんに「いいなぁ」と言ってもらえるなんて、杏子は幸せ者です!
今だと、もれなく3人付いてきますがいいですか?(笑)
そうそう。杏子はめったに「友達になって」とは言いませんね^^
目に涙を浮かべて笑い続ける優奈は、言って貰った数少ない友人です。彼女は杏子との過去を思い出して笑っていて、杏子もそれをわかっているのですが、それは「追憶編」でのお話です^^

「私と友達に? 根性がいるわよ?」とか「……10年後に逢いましょう」とか言いそうです。
なんかこう、言葉で書くと凄く失礼な子ですが(笑)大金持ちに生まれた彼女には、打算で近づく人間も多かったので^^
八少女さんはきっと平気です!^^こういうタイプになれていらっしゃると、友人にも個性的な方が多いとおっしゃっていましたよね?^^杏子はそういう気配を敏感に感じる人ですから、自ら近づいていくと思われます!

さて、次話はまたケイの登場。彼、非常に怒ってます(爆)何を? 誰に? は次話で^^また読んで頂けるととても励みになります!コメントありがとうございました♪

  • 2013/04/21 00:48
  • YUKA
  • URL
ちょっくら、ご無沙汰しちゃいました… 体調の方は薄紙が一枚、2枚はがれたような感じですw 全部で何枚あるんかは分かりませんが(笑)今回のcanaria リスペクト・ワールド!とっても幻想的で、当時、師匠が表現した…言葉にできないほどの燐光の美しさをまた味わうことができました!
自分を卑下しちゃうセイレンと、そのセイレンが作り上げる、甘美に蕩けるようなやや背徳的な世界観。。。師匠と姫で僅かに異なる視点の表現達・・・改めて吐息が出てしまいました。(羨望)
学生の頃、合宿先で捕まえた蛍を、真っ暗の民宿部屋でふわっと泳がせた記憶が戻ってきました
また、感動させていただくこと楽しみにしております!!

あっ!笑点の時間だ!!それでは~

HIZAKI
  • 2013/04/21 17:27
  • HIZAKI
  • URL
HIZAKIさん

HIZAKIさん、こんばんは^^
コメントありがとうございます!!

いえいえ~~私の方こそ、お返事が遅くなりまして。
少しづつ復調でしょうか?^^
UPされている散文も、ふわふわと春の香りが漂っていて
長い冬を抜けた季節感をとても感じていましたので
HIZAKIさんが元気だといいなぁと思っていました^^

canariaリスペクトワールド♪まさに^m^
あわわ。師匠の艶やかで妖しく光る、あの燐光のような儚い夢の世界を想いでしてくださいましたか!!
なんとまぁ、光栄です!
あの世界観は本当に幻想的で素敵ですよね^^
私はあの情景が目の前に浮かんでくるようで、忘れられませんでした^^
だからこそ、この話のサブタイトルを考える時も、絶対いれねば!!
と、ある種勝手な使命感を感じたほどです^m^

セイレンの世界は独特で、その背徳感までもが甘美な世界。
切なくて哀しくて甘く苦い、色々な感情を揺さぶるのですよね。
私には醸し出せないcanariaさんだからこその世界観に少しでも近づけたいと思う気持ちと
それとは別のパラレルワールドを書いてみたい気持ちとが折り重なっている物語なんです^^

自分自身をとことん卑下するセイレン。
それには必ず理由があって(それは理由ではない理由かもしれませんが)
いいとか悪いとかではなく、それがセイレンなのだとみんなが納得してしまうんですよね。

canariaさんが、自己プロフィールで伝えたいと思っていらっしゃることに触れていました。
どこにも居場所が無かった、また無いと思っている孤独な魂たちに捧げる物語、そんな気がしているんです。
「いいんだよ。そういう世界を持っていても」
そんな風に、寂しい、哀しい想いに寄り添うように感じられるセイレンの物語。

少しRチックな描写は【侵蝕恋愛】のひとつの魅力ですが
私は物語を紡ぐcanariaさんの、そんな想いを勝手に感じていたりします^^

ですから今回、R部分は極力省きました。
誓約の地も完全版はR指定ですから(笑)書くことに抵抗は……そんなにないのですが(笑)
彼らが何者であっても、そこにどんな思いがあっても
その心の全てをわかって貰えないとしても、それでいいと認めてくれる人もいる。
優奈たちを借りて、その世界を見ている私からセイレンとケイに向けてのエールのつもりで^^
だからこそ、私は私の視点で彼らに捧げる物語を書こうと思っているのです^^

悩み傷つき、その痛みさえ麻痺してしまうような、
切なくて妖しくて哀しい極上の恋愛に身を焦がす彼らに少しだけ光を掲げたパラレルワールド。
そんな世界を楽しんで頂けたら、光栄です♪
  • 2013/04/23 19:55
  • YUKA
  • URL
Comment Form
公開設定


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。