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誓約の地/漂流編・132<懺悔(18)>

誓約の地/漂流編・132<懺悔(18)>




してはいけないことをした罪、すべきことをしなかった罪。

どちらも人を追い詰める「弱さ」



彼をひとりにすべきでは無かった。

独りにすべきでは無かったのだ。
================================================




 ヒョヌはコウジを静かに見つめて呟いた。

「ただ、追い詰めてまた自滅させるのか、罪を認めさせて償わせて……更生させるのか、みんな自身にかかってもいる」

 与えられる罰に甘んじるほうが容易い。

 コウジもそれに甘んじようとしていた。それでいいと。

 だがそれは罰を与えられただけで、本当に償ってはいない。

 それではコウジが変わらない――。

『――どうやって更生させるの?』

 そう問いかけた優奈の想いがやっとわかった。

 これをキッカケに変わってほしい――そんな優奈の想いを感じていた。

 罪を認め、罰を受けて償う。優奈はその先を見ているのだ。

「償い」の次は「赦し」ではない。

 彼の更生――そして初めて赦される。

『キッカケは必要だと思う』

 
 なるほどと思った。





「ヒョヌさんは、それでいいのか?」

 ふいに修平からかけられた言葉に、ヒョヌは小さく笑った。

「優奈に比べたら、なんてことないよ」

 杏子を励ましていた彼女の中にあった想いは、自分が思っていた以上だったのだと思う。

 欺き騙したコウジにさえ、それでも今まで通り生きるべきだと言うほどに。

「優奈は僕を庇った」

 その言葉に、優奈がヒョヌを振り仰いだ。

「それがコウジの策略だったとしても、そのことで優奈は追い詰められて危険な目にあった。そのことがずっと心にあって、守り切れなかった自分が情けなくて酷く苦しかった。コウジを赦せなくて、コイツさえいなければ――そう考えてた」

 それでも彼女が望むなら、今度こそ守るとあらためて誓う。

 心も体も、彼女が彼女らしくいるために。



「エリの言う通りだよな。優奈が間違ったと言うんなら、俺もさ」

 修平は優奈の視線を受けながら淡々と語っていく。

 してはいけないことをした罪、すべきことをしなかった罪。

 どちらも人を追い詰める「弱さ」の結果。

 力ずくでねじ伏せようとする強さとは対極の、心の弱さが招いたことだ。


 躊躇した理由は、自分がかわいかったせい。

 どうせ言ってもしかたない。自分で気付くしかないのだと言い聞かせた。

 自分は手を差し伸べてくれる相手がいたのも忘れて。

 自分で、自分だけで立ち直ったと傲慢にも思い込んでいた。


 俺がどの口で、どの面でそんなことを言うのかと、自分で自分を嘲笑した。

 それは、そう思われると思ったからだ。

 そう思われたくないと思ったからだ。



「俺は止めることができなかった。気付いていたのに、声をかけることも、話を聞くことも躊躇した。でも、声をかけるべきだったんだって思う」

 そう言う修平の言葉を、コウジは俯いたまま聞いていた。


 そんな修平の言葉を受けて佐伯も口を開く。

「私も……間違った」

 佐伯は少し微笑むと、驚いて顔をあげるコウジに向かって語りはじめる。

「私も変化に気付いていた。報われない気持ちに苦しんでいるのも知っていた。ただ……それは若さだと、軽んじていた。恋に悩み迷う君たちを、どこかで微笑ましく思って見ていたんだ。優奈くんの気持ちはコウジくんには無かったのも知っていた。だが、ここまで思いつめていることに、何も手を打たなかった」

 それはあなたのせいではないと声をかけたマークに、佐伯は小さく頷いた。

「でも話を聞くことぐらい出来たのではないかと思う。そんなことで何かが変わったかはわからない。でもここで過ごすみんなが健康でいられるように気をつけていく――そう決めたのは私だ。健康は何も体だけじゃない。心は重要な要素だ。優奈くんが一生懸命みんなのためにと奔走していた時、私はアドバイスしてきたはずなのに、今度のことでは何も手を打たなかった。それが彼を孤独にしていったのではないかと思っている」


 そのせいで追い詰められたのではないか?

 それをずっと考えていた。

「そしてそれが何より、全員に一生懸命だった優奈くんを追い詰めて傷つけることになった。私も彼のために、そして彼女のために、力になるべきだった」

 佐伯の言葉は全員の心に重く響いた。

「コウジ。君がやったことは赦されることじゃない。みんなが君を断罪する気持ちも充分理解出来る。でも私は……そうなる前に、君に手を差し伸べるべきだったと、そう思っている」

 すまなかったな――そういう佐伯の言葉に、コウジは目を見張ったまま声も出ない。




「……俺だから」

 エリの傍に立つカズヤの声で、コウジは振り返った。

「優奈さんとヒョヌさんが同室になったキッカケは俺なんだ。俺がエリと一緒の部屋になりたいって二人に相談して、それがキッカケで部屋割が変わった。お前の気持ちは知ってたけど、自分とエリの問題だからって、それがお前にどう影響するかなんて、考えてはいなかったんだよ。

馬鹿にはしてない。無視してたわけでもない。でも自分が……自分がエリと付き合って、ここの生活にもだんだん馴染んじゃってたから、お前の気持ちをちゃんと考えてはこなかった。話もしなかった。そんな話をするのはなんか照れくさくて、簡単に諦めろよなんて考えてたかもしれない」

「それは、俺らもだよ」

 ケイタとツヨシがそう言うと、カズヤはもう一度口を開く。

「今回のことで、お前が赦されないのは当然だと思ってた。その想いは変わって無い。でも……それだけじゃダメだって今ならわかる。頭悪くて、遅いけど。少なくとも、そのことにもっと早く気付くべきだった。優奈さんに……一番辛いはずの優奈さんにこんなこと言わせる前に」

 カズヤはそう言って俯いた。


 いつも笑顔でここにいる全員が過ごしていけるようにと奔走していた優奈。

 力になろうと頑張っていた彼女に全員が助けられてきた。

 落ち込んでいれば声をかけ、困っていれば手を貸す――彼女はいつもそうだった。


 自分達もそうすべきだったのかもしれないと、その時誰もが思っていた。

 優しい言葉をかけて手を貸す以上に、方法はあったかもしれない。

 そのためにも、コウジをひとりにすべきでは無かった。

 独りにすべきでは無かったのだ。

 


「だからと言って赦したわけじゃない。今すぐ無かったことになんて出来ない。コウジのしたことは犯罪だ。それはコウジがきちんと向き合わなければならないことだ」

 傍に控えていたマークがコウジに声をかける。

 噛み締めるように告げるマークの声は固く、その表情もまだ厳しい。

「……それでも、いつも手伝ってくれた君を忘れたわけじゃない」

 その言葉にコウジがゆっくり振り返る。

 ジャンはたくわえた髭をなぞりながら、ゆっくりと妻のミラに声をかけた。

「腰にきますよと言って、あの重い鉄板や寸胴を一緒に運んでくれたな」

 ジャンの横でミラが小さく「そうね」と頷いた。



『赦したわけじゃない』


 そう言いながらポツリポツリとみんなが話す言葉を、コウジは茫然と聞いていた。

 ――断罪されるべきは自分のはずだ。

 悪いのは全て自分で、そう思われるのは仕方ない――そう思えるほどのことをしたと思っている。

 それなのに、なぜ?

 驚きと動揺で追いつかない心が、溢れてくる感情に揺さぶられる。



 そこには精一杯頑張っていた自分がいた。

 面倒だと思いながらも、笑いながら手を貸す自分がいた。


 ずっと、忘れていた。






 ヒョヌは優奈の手をそっと握ると、落ち着いた口調で語った。

「お前のために――僕はまだそんな風には思えない。それでも優奈がいつか、欠けることなく全員でここから助かりたいと願うなら、僕もあらためてそれを目指そうと思う。ここで人生を終わらせた、終わらせるしかなかった彼らに……見つけ出してやることができなかった友人のために。それが優奈の望みなら、力を貸す。優奈に二度と辛い思いはさせない。お前にも……二度と同じ過ちは犯させない」

――それが、彼女の望む償い方。

 彼女だけにでは無く、みんなに向けての贖罪のさせ方。

 どんな決断でも、自分にできることはひとつしかない。

 どんなことになっても、どんな状況でも変わることは無い。

 今までの刺々しい感情が嘘のように、ヒョヌは穏やかな眼をしてコウジを見つめている。

「お前が一生懸命だったことを知ってる。不安で気持ちが揺れていることも、苦しんでいたことも知ってる。コウジがどう思ってたとしても、どんな風に思っているとしても、みんなお前を忘れたわけでも無視していたわけでもない。みんな、ちゃんと見てくれてたんだ。コウジ、お前はずっと独りなんかじゃなかった。お前が気付かなかっただけで」

 そう言いきったヒョヌを見上げて、優奈が小さく微笑んだ。

 その視線を感じたヒョヌは、視線をコウジに向けたまま繋いだ手に力を込めた。

 優奈はコウジに向き直る。

「私もまだ、私にしたことを赦すとは言えない。あなたの想いを受け入れることは出来ない。一人の女として、寄り添ってあげることはできない。でも……仲間としてやり直してほしいと思ってる」

 声も出ないコウジに向かって、優奈はもう一度呟いた。


「独りでじゃない。あなたは独りじゃない。……これまでも、これからも」


 呟くようなその声の主を、コウジはただ見上げていた。














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Comment

うーん
重い

皆の声はとても重い

僕だったら

耐え切れない

自分自身に呆れるくらいなら

まだましだけど

皆の声は重い

何よりも

優奈の声が一番重いと思う



…頑張れコウジ
  • 2013/02/03 22:10
  • いちごはニガテ(゜o゜)
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  • 2013/02/03 22:34
こんばんは〜(^^)
今回、やっと初めてコウジの心に、コウジ自身が光を当てたように思いました。今回の件だけがクローズアップされがちなコウジですが、人一倍生真面目に一生懸命、島の生活を支えていたんですよね。

冒頭のキャプションにもありましたが、「すべきことをしなかった罪」というのは、結果が出て初めて気付かされる、とても曖昧な罪なんじゃないかと思いました。「してはいけないことをした罪」は、今回のコウジのように目に見えるもので、重みもあって「それは罪です」と言えるんだけれど、すべきことをしなかった罪は、目に見えづらいので、日常に埋もれてしまいがちな日常の落とし穴というか・・・無人島の生活だからこそ、その落とし穴が極端な形で発露したんだな、と思うと、コウジが哀れで可哀想、と思えてきます。本当に、頑張れ、って言葉をかけたくなります。
その時すべきだったこと、その時に必要だった小さな助けの積み重ね、それさえあれば、コウジの孤独も降り積もる事もなかったのに・・・と切なくなりました。
でも、皆の心が氷解しているように感じられるのは、やはり優奈さんの奥底にある祈りの力が響き渡ったからなんだと思います。
断罪だ、と叫びながら断罪されたらコウジは楽だった部分もあるかもしれない・・・でも、静かな精神状態で、自らの意志で自らの心に光を当てられたのは、優奈さんがもたらした「赦しの欠片」なんじゃないか・・・とちょっと思っっちゃったり・・・
優奈さんの言葉に導かれて、〈懺悔〉もいよいよクライマックスを迎えておりますが、初めと今では自分自身も心境が違うのが分かり、皆と一緒に悩んできて、やっと答えの足がかりを掴めたような、そんな気持ちです^^
ここまでの章を読むと、果たしてコウジくんは生きて再び日本の地を踏めるのかどうか疑問が。

流行りの言葉でいうと死亡フラグというやつが立ちまくっているような(汗)
  • 2013/02/06 16:28
  • ポール・ブリッツ
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いちごはニガテさん
いちごはニガテさん、、こんばんは^^
コメントありがとうございます!^^

そうですね。
声高に責められるよりも、自分自身をあざけるよりも
みんなの声はとても重いと思います。
でも人が前を向こうと変わるには、吹きつける冷たい風だけではダメなのではないかと思うのです。
人は寂しい生き物で、孤独には耐えられないと思うから。
本当は誰しも、受け入れてくれる場所を求めていると思うからです。

コウジは見失いました。
でも見失ったならまた見つければいいのではないかと。
そのために手を差し伸べる人が居てもいいかな?と。
彼の心を動かすには、凍てつく風ではダメではないかと。
私は彼も、共に乗り越えていってほしいのです。
誓約の地の仲間として^^

あと1話。
少しでもコウジの心が、暖かいなにかを思い出せたらいいと思っています^^


  • 2013/02/06 20:27
  • YUKA
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鍵コメNさん
鍵コメNさん、こんばんは^^
コメントありがとうございます!^^

少しだけ光が差すような、そんな雰囲気を感じ取って頂けたでしょうか?^^
鍵コメさんのコメントを読んで、私は救われる想いです。
コウジは確かに赦されない暴挙に出ました。
女性にとって、それは人をあやめること以上に辛いことでもある気がします。

私はですね。
いつも「男」と「女」という2性しかないことが、こういうことを引き起こすのではないかと思うのです。
色々言い分や例外はありますが、一般的に男性は女性よりも力が強く、身体的には有利です。
だからこそ力ずくで――という発想が、無意識に起こる気がしています。

一番感じるのは夜路。
学校帰りや仕事終わりに、暗く一通りの少ない路で――
女性は後ろから、若しくは前から男性が歩いてくるだけで緊張することがあります。
でも男性に言わせると、そんなこと感じることは無いのだそうです。

相手の男性は、全く変な意味で歩いているわけではありません。
付けてきているわけでもありません。
自意識過剰と思われがちですが、それは本能的な恐怖なのだと思います。
もし、この世にもう一つ完全に別の性があったとしたら。
それが「女対男」で感じるような、身体的に優位に立つ存在であったら。
それが男性にとって圧倒的な力を持っているという状況なら。
男性は女性のもつその感覚を、始めて理解出来るのではないかな?と思ったりするのです^^
できればね。「じゃんけん」がいいのではないかと。
グーはチョキに勝つけど、パーには負ける。。。みたいな。
それぞれが誰かに弱くて誰かには強い。
心理的な部分だけでなく、身体的にもそうであったならって言う感じに^^
――って、意味わからないですね^^;;すみません。

コウジの想うところ――鍵コメさんが言うように
「誰にも相手にされていないのではないか」
それはとても辛いことだと思うんです。
人はどんな風に言っていても、どこかで人に認められ、そのことで心が解放されることがあると思います。
一人でいることは出来ても、独りでいることには耐えられないと思うんです。

コウジの罪はわかりやすいですよね。見て聞いてわかる。
でも本当は少しづつ、みんなにも非があったのではないか。
非とは言えなくても、反省すべきところはあったのではないか。
それを言いたかったというのもあるのです^^

佐伯先生は大人ですね^^
鍵コメさんもきっとおわかりだと思いますが、
彼は赦してほしいから、自分が楽になりたいから謝る、というパターンではないです。
――すまなかったな。
佐伯先生の言葉は、コウジの頑なな心が少しでも楽になれるように。
言うならば、謝りやすい環境を作ってあげた、キッカケになるようにというような言葉で話しかけています。
心理的な意味を込めた「大人」から「子供」へ、先に折れたというか。

A「さっきは、ごめんな」
B「そんなことないよ。俺の方こそごめん」
そういう時、Bが素直になれるキッカケというか^^

佐伯先生、いい人です(笑)

優奈はですね。人に優しく――な人なので、こういうことが言えてしまうんです。
でも! 自分のこととなるとなかなか(苦笑)
それは次章で明かしますが、ここでは凛と踏みとどまっていますね^^

コウジもね。いい奴だったのですよ。最初の頃。こうなる前は。
みんなだけでなく、自分自身さえも忘れていた。
でも優奈は憶えていたんです。それが優奈の優奈たる所以なのかもしれません^^

コウジがコウジを取り戻すには、吹きつける風だけではだめだと思っています。
凍てつく風にコートをしっかり抱えて身を包んでいた男が、太陽の日差しの暖かさで自らコートを脱ぐように
そこにはやはり暖かさが必要なのではないかと。
その暖かさとは、いいところも悪いところも、対等に、人として、その存在を認められるということを含んでいます。
そんな想いを込めて綴ってきた<懺悔>も次話が最終話です。
コウジの、優奈の最後の想いを、出来ましたら読んで頂ければと思います^^
  • 2013/02/06 20:28
  • YUKA
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canaria さん
canariaさん、こんばんは^^
コメントありがとうございます!^^

いつも私の想いを汲み取ろうと読んでくださるcanariaさんの優しさに救われているYUKAです!^^
そうなんですよね!
あまり詳しくは書かなかったのですが、コウジはいつも一歩引いてみんなを手伝ってきました。
それは彼の気弱さや、優奈への想いがあったかもしれませんが
それでも一生懸命生きていたんです。
心の闇に、その欲望に飲み込まれるようにして見失っていましたが
彼が一番見失っていたのは、そういうことかもしれないなと。

「すべきことをしなかったことの罪」
これは目に見えづらい、自覚しづらい罪だと思います。
軽く話していいことではありませんが、これは俗に言う「いじめ」の話題でも取り上げられますね。
いじめることは当然罪ですが、傍観していた人達も、全く罪が無いのか???
そういう想いがいつも私の中にあったりするのです。
 もちろん、世の中に苦しんでいる人、哀しんでいる人はいっぱいいます。
誰にでも手を差し伸べるなんて事は、ある意味傲慢で、出来るわけはないのです。
でもそれなら――
せめて自分の友人は、せめて仲間は、助けてもいいのではないか。
ほんの少し手を差し伸べてもいいのではないか。
そんな風に思う私の想いが多分に入っています。


これは、私の学生時代の想い出が影響しているかもしれません。
中学のころだったか、クラスにある一人の男の子がいました。
その子はとても傲慢で、いわゆるいじめっ子だったのですが
いじめは男子にではなく、その矛先を女子に向けていたんです。
「あいつは可愛くない」とか「気持ち悪い」とか「むかつく」とかなんとか。
彼は調子に乗ってやり過ぎました。
いつの間にか、彼に傷つけられたと思う女子はクラスのほとんどでした。
そしてある日、黙って耐えていた、泣き寝入りしていた女子が徒党を組んで反撃したんです^^;;
私も彼が嫌いでした。攻撃的で弱い者いじめをする彼が。
自分より優位の、強い相手には決して向かわない姑息な彼が。

でも私の友人の一人の女の子は、その結託に果敢に反論したんです。
「あいつは友達だから、私は加担しない」と。
その時、怒りに燃えていた女子はクラスのほとんどで、彼女は孤立無援でした。
私も言われたウチの一人ですが、反撃に積極的に加担はしませんでした。
でも「当り前だ。仕方が無い」と思っていました。
それでも彼女は、特にクラスの目立つ子たちを盛大に敵に回しても、一歩も引かなかったのです。
「あんなやつの友達なの? あなたもあいつと同じなんじゃないの?」という風に。
「あんたの友達もいじめられてたのに? それでも庇うの?」という風に。

その時私や私と同じように、その子にとても近い仲のいい友人も、
彼からの攻撃に泣かされていたにもかかわらず。

「私はみんなが嫌いじゃない。いじめもしない。友達だし、あいつがしたことはダメだって思ってる。やられた人がやり返すのも理解出来る。でも私がされたわけじゃない。友だちがいじめられた。だからって流されて、あいつをいじめることも無視することもしない。私はあいつとも友達だから」
そう言って。

そして女子の前では彼を庇い続け、そして別のところで彼を叱り、諭していました。

とても賢くて強い子でした。
その毅然とした態度で、いつの間にか「彼」への攻撃が軟化しました。
「もう、ほっとこう」という感じで。
私はその時の出来事を、ずっと憶えています。

彼女の態度は私の中では衝撃でした。
中学生という多感な時期の女子の中で、一人孤立しそうな反論はなかなかできることではありません。
そして彼女は、孤立することも無かったのです。
私を含めた近い友人が、それをさせなかったというのもありますが、
きっとどこかでみんな、彼女のその言い分は理解できると
自分達もあいつと同じことをしているのではないか?と思ったのだと思います。
それでも少し時間はかかりましたが、彼女に彼は救われたのです。

こんなつたない昔話で、その想いが伝わるだろうか? と思いますが^^;;
その時の出来事が、コウジの話に影響されている気がします^^

それでもこの<懺悔>は、実ははじめ4~5話程の話でした。
いつか裏話で書こうかと思いますが、<断罪>とついになるこの話を、同じ分量で書いていたんです。
でもいろいろ紆余曲折を経て、物凄く長くなりました^^;


>初めと今では自分自身も心境が違うのが分かり、皆と一緒に悩んできて、やっと答えの足がかりを掴めたような、そんな気持ちです^^


そう言って頂けて、頑張って悩んだ甲斐がありました――!!
もう、積極的に悩みました(笑)


「赦しの欠片」素敵な言葉です!!^^
私の中でも、優奈の、そしてコウジのこれからに続く「欠片」だと思っています^^
実は後日談という番外編も用意してあるのです^^
いつか、時が来たらUPします^^まだまだ先ですけどね~~~^^

  • 2013/02/06 20:31
  • YUKA
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ポール・ブリッツさん
ポール・ブリッツさん、こんばんは^^
コメントありがとうございます!^^

死亡フラグ~~~~~確かに(笑)←笑いごとじゃない
立ちまくってるに爆笑しちゃいました^^
その通り過ぎです!^^

でもこれは、彼の、彼らの懺悔であり、そこに少しの光を当てたいと思っているので^^
はい終わり~~という風に、赦してやることはできませんが
それでも「いつか」を考えています。


――いつか全員で助かろう

諦めませんよ~~~~(*´∇`*)

  • 2013/02/06 20:32
  • YUKA
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