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誓約の地/漂流編・124<懺悔(10)>



誓約の地/漂流編・124<懺悔(10)>




優奈を見舞ったカズヤとエリとリョウコ。

カズヤはゆっくりと過ぎていく日々の中で、感じた想いを優奈に告げる。





その時、大きな物音が聞こえてきた。

コウジを軟禁しているはずの礼拝堂で、一体何が――?






================================================







 カズヤが外から礼拝堂のドアを開けると、ヒョヌがコウジの胸ぐらを掴んでいた。


 コウジを通路まで引っ張り出し、そのまま利き手で思いっきり顔を殴りつける。

 コウジから鮮血が飛び、滑るようにして礼拝堂の長椅子にぶつかったあと止まった。

 コウジは身体を強打してむせるように何度か咳をしながら、うずくまったまま暫く動くことができずにいる。
 
 激しい感情とものすごい音に、礼拝堂はかえって静まり返っていた。





「ヒョヌさん……」

 ヒョヌはコウジを見据えたまま、カズヤがかけた声にさえ気付かなかった。

 両腕を下ろしたまま激情に震える肩で息をして、拳を強く握りしめながら歯を食いしばる。

 コウジを睨むように見つめていた目をゆっくり閉じて、呼吸を整えた。


「無かったことにはできない。忘れてやることも出来ない」


 振り絞るような声でヒョヌが告げる。


「……でも、これで終わりにする」


 彼の突然の宣言に全員が息をのんだ。

 激情を必死に抑え、軋む心を抱えているのが伝わっていく。

 ただ、その決意に満ちた宣言をどう受けとめていいのかわからず、全員が呆然と立ち尽くしていた。

「お前を憎んだり、恨んだりするのは、今日でやめる」




 ヒョヌにとってそれは辛い事だった。

 愛する人が未遂とはいえ襲われ、一歩間違えれば殺されていた。

 いなくなった夜の激しい焦燥と、見つけた時の怒りはまだ彼の心を荒している。

 本来なら声をかけることも、視界に入れることさえ口惜しい。決意を口にしたとたん、吐き気がするほど。

――でも、決意した。この件はこれで幕を引くと。2度と憎しみや怒りで心を燃やさない。

 修平はそんなヒョヌの姿をただ静かにじっと見つめていた。


「終わり?」

 口の中を切ったのか、唇から滴る血を拭いながらコウジはヒョヌを睨みつけた。

「そんな目をして、そんな顔をして。終わりを宣言する意味がどこにある?」

 ソンホが倒れこんでいるコウジを止めようとするが、その制止を激しく振り切った。

「綺麗事言うなよ。素直に居なくなれって言えばいいだろう? 好きにしてくれていい。ここから出ていけと言うなら出ていくよ。どこかに監禁したいならそれでもいい。……殺したいなら殺してくれ」

「なんだよ、その言い草は」

 微かに体を震わせたカズヤはコウジに向かって叫ぶ。

「お前、そんな奴じゃなかっただろう? 何でそんな風になっちまったんだよ。何でこんなことをする前に……」

 そう言ってカズヤは声を詰まらせた。

 これ以上何を言えばいいのかわからなくなって、瞳を揺らすカズヤをコウジは静かに見ている。

 それから視線を落とし、小さな声で呟いた。

「今更……散々無視してたのに」

「は?」

「馬鹿にしてただろう?」

「何言って――」

「してたよ」

 コウジは口元を少し歪めて視線をカズヤに戻し、淡々と語った。

「無駄だって。相手にならないって。ヒョヌさんも、修平さんも、杏子さんも……みんなも」

「…………」

「わかってた。俺が太刀打ちできないなんて。自分でわかってたんだ。それでも……好きだった」

 ぽつりぽつりと呟くコウジの声が、静まり返った礼拝堂に響いていた。

 微かに震える空気が礼拝堂の壁に反響して跳ね返り、その場にいた全員の心にこだましていく。

「わかってたさ」

 そう呟いた修平に、コウジは薄く笑った。

「――俺はいつも、蚊帳の外だった。相手にはしてなかったよ。ヒョヌさんも修平さんも。お互いがライバルで、お互いだけがライバルで、常に競ってた。争って憎んでぶつかって、それでもお互いを認めてただろう? コイツには負けたくないって、コイツには譲らないって」

 掠れた声で語るコウジの言葉が零れていく。

 今まで黙して語らなかったコウジの言葉。

 突然語り出したコウジの声を、全員が息をひそめて聞いていた。


「俺が優奈さんを好きだってこと、知ってても無視してただろう? どんなにもがいて苦しんでても、しかたないって、諦めろって、はなから相手にもして無かったよな? ヒョヌさんがいる、修平さんがいる、お前の出番はねえよって。身の程知らずとさえ、思ってたんじゃないか?」

 いつの間にかコウジは視線をあげていた。気持ちは目の前のカズヤを通り越していく。

 コウジが静かに見つめるその先――そこには杏子がいた。

 杏子はじっとコウジを見据えたまま黙して動かない。

「……はじめて優奈さんを見かけたのは船上のデッキでだった。フェリーに乗船した時から、初めて見た時から一目で好きになった。なんて素敵な人だろう、なんて可愛らしい人だろうって思った。その後遭難してこの島での生活が始まってからも、ずっと彼女を見てたんだ。みんなをまとめる彼女の助けになりたくて、少しでも力になりたくて、俺なりに必死だった。

確かに勝手に一目惚れして、勝手に片想いしただけだ。でもそれでも良かったんだ。見てるだけでも。俺がどうにかできるような人じゃないってこともわかってた。確かに選ぶのは彼女だし彼女の自由だ。誰を好きになろうと文句を言う筋合いはないなんて、そんなことはわかってる。みんなが何を想おうと自由だ。

でも、それなら俺が彼女を好きなのも俺の自由じゃないのか? 俺が何も言ってないのに、彼女が何も言ってないのに、彼女以外のヤツに俺の気持ちを否定する権利はない。俺を値踏みして、勝手にお前じゃダメだと言われる筋合いも無い」

「……そんなこと、してねぇよ」

 カズヤのふり絞るような言葉に、コウジは薄く笑った。

 その眼は何故か酷く淋しそうに揺れる。


「もし、もしまだ修平さんが諦めてない時に、ヒョヌさんと優奈さんは同じ部屋になったか?」

「それは――」

「気を使っただろう? 修平さんに遠慮して。でも誰も考えなかった、俺の気持ちなんて。丸くおさまったと思っただろう? ヒョヌさんと付き合って、修平さんが諦めて。だから当たり前のように同室になったんだ。誰も反対しなかった。それどころか、それが当然だとでも言わんばかりだった。ヒョヌさんと付き合ったのならしかたない――そう思ってもまだ諦められない俺の想いなんて、取るに足らないことのように無視したじゃないか。

それでもいつか諦めなきゃって思ってた。だからずっと密かに心にしまっておこうと思ってた。でも耐えられなかった。本気で愛した人が同じ屋根の下で、手が届きそうなほど近くで、 他の男に抱かれてると思う事が堪らなく嫌だった。その気配に吐気がした。――なぜ俺じゃないのか。出会っていたのに、あの時ホントに傍で笑ってたのに。仕方ないと思っても当り前だと言い聞かせても、 頭でわかってても心が追いつかなかった。

どんなにもがいても苦しんでても、俺の想いなんて邪魔者なだけだろうって思ってたよ。でも俺にも……俺にも心はあるんだ。それがちっぽけでくだらない、邪な想いだって言われたとしても。……俺の気持ちは消えるしかなかった。無理にでも消さなきゃいけなかったんだ。消さなきゃ、消さなきゃって何度も思ったよ。でも消えてくれないんだ。

それで思ったんだ。後戻りできないぐらい木っ端みじんに砕ければ、それで終われるんじゃないかって。あの時はそれしかないと本気で思っていた。終わりにできないなら、終わりにせざるを得ないようにすればいい――」

 コウジの独白を聞いていたカズヤは、堪えきれず叫んだ。

「いい加減にしろよ!」

 カズヤはヒョヌと同じようにコウジの胸ぐらを掴む。

「自分が無視されたから、同じように無視したのか? 優奈さんの気持ちまで。お前の言ってることこそ綺麗事だろう? どんなこと言ったって、それはただの嫉妬で逆恨みだ! お前は嫉妬に狂っただけなんだよ! お前がしたことは許されねぇ。愛だのなんだの、カッコつけてるのはお前の方だろうが! 告る勇気が無くて悶々としてただけの、ただの捻くれたむっつりスケベなだけじゃねぇか。優奈さんがどんな思いをするのか、考えなかったのかよ! 汚ねぇ、卑怯な手を使いやがって!」

「わかってるよ、そんなこと」

「わかってねぇ!」


「カズヤ、もういい」

 ヒョヌが一喝した。

「コウジの言うとおりだ」

 ヒョヌの言葉に驚いたカズヤは、思わずヒョヌを振り返った。

「……ヒョヌさん?」

「コウジが優奈を好きだっていうのは、気付いてた。一生懸命だったのも見てればわかる」

 その言葉にコウジは微かに目を見開いた。

 まさかヒョヌが自分の想いを肯定するとは思わなかったからだ。

 激情に身を焦がし、身体を震わせていたヒョヌはもうそこには居なかった。

「馬鹿にしたつもりはない。触れないようにはしてたけど無視していたわけじゃない。ただ――」

「……ただ?」

 眉間にしわを寄せ、コウジは無意識に尋ねていた。

















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Comment

今晩は~
コウジのファンであるボクは 今回のお話を晩秋の想いで

待っていました

コウジ頑張れ!
  • 2012/12/09 22:07
  • いちごはニガテ
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まぁなんていうか・・・コウジ・・・爆発しろ!!
と思いましたね(酷)
あの事件があってから自分の中でのコウジ株は急降下というか暴落してますからね・・・何をどう言い繕った所で救えないな・・・としか思えませんからね~っていうか、恋愛は順番じゃありませんからぁぁぁぁぁ・・・残念!!!モブはモブらしく画面の隅に収まってればいいんですよ(#^ω^)ビキビキ
失礼しました~
  • 2012/12/09 22:31
  • 小心者またはチキン
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管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
  • 2012/12/09 23:19
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  • 2012/12/10 17:08
いちごはニガテさん
いちごはニガテさん、こんばんは^^
コメントありがとうございます♪

わぁ~~~コメントではお久しぶりですね^^
読んでくださってありがとうございます!
はい。
いちごはニガテさんの一押し、コウジくんの登場です^^
彼が一番人間らしい――
以前くださった、そのような感想が、今でも心に残っています。
彼は独りで悩み、もがいていましたが
それは彼が普通の人であったからこそだともいます。

ともすると、何だか浮世離れした人々で進行する誓約の地に
実は話の展開と深みを与えてくれている気がしてなりません。

彼はとことん苦しい思いを抱き続けますが
いちごはニガテさんの応援だけは、とても嬉しく思っているはずです!^^

この先も紆余曲折
色々暴言吐くコウジくんですが、温かく見守ってやってください(笑)




  • 2012/12/10 21:05
  • YUKA
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小心者またはチキンさん
小心者またはチキンさん、こんばんは^^
コメントありがとうございます♪

あはは。
爆発しろ~~~ごもっとも。
コウジ株は大暴落ですね~
ひっそりと片思いしている方も、それで苦しい思いを抱えることも絶対にあると思うのですが
彼はその想いに耐えきれず、一番最悪な方向に逃げました。
コウジが優奈を襲ったこと。
彼は行動を起こしましたが、実際は「逃げた」んですよね。
報われない苦しさから、相手を思いやることから。

彼はまだまだ、暗中模索状態。
自分の置かれた状況も、自分の本当の気持ちも、本来の姿も見失ったまま。
小心者さんの言う通り、何を言ってもこの件では救えませんね。

ですが彼は、このことからまた逃げてはいけないのだと
それを自覚して貰わなければ、です^^

まだまだコウジの迷走は続きますが、読んで頂けると嬉しいです^^

恋愛は順番じゃない。
もう、本当にその通り!!ですよね^^
私も自分で書きながら「コウジ!何言ってんだ~~」と思ってました(笑)

  • 2012/12/10 21:14
  • YUKA
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鍵コメCさん
鍵コメCさん、こんばんは^^
コメントありがとうございます♪

おおっふ。男性陣の言葉に愛を感じて頂けましたか!^^
ありがとうございます!
もう、鍵コメさんのコメントがとてもそのまま過ぎて
鍵コメが勿体ないと思ったほどです(笑)

コウジが抱えてしまった心の闇――
彼は弱く自己中心的ですが、これは誰の心にも少なからずあるものだと思います。
報われない想いを抱えた時には、相手やその相手を恨むこともあるはずです。
それをどうにか昇華して、そのことから気持ちを切り替えて生きていくのが一番いいのですが
それをするにはとても難しい環境。

「コウジは出る幕じゃない」
その通りですよね。
それは私がある意味、三番手として描いてきましたし
対立、対決としては「ヒョヌVS修平」の構図で下から。
実は<対決>で、彼は三番手なんですね。
私もコウジの心情を吐露する所で少し彼の想いに触れてますし、
その前に、杏子に確認もしているんです。わかりますでしょうか?^^

>初戦からケイタ・ツヨシ・カズヤ・コウジの順で敗退。そして決勝戦は大方の期待通り、修平とヒョヌの一騎打ちとなる。<対決(4)>

ここでいう「大方の予想通り」は、全員がやはりヒョヌVS修平を予想し、また期待していたということで

>準備を終えた杏子が声を掛ける。すると、コウジがおどけたように話しかけてきた。
>「優勝者によって、賞品逃げ出したりしない?」<対決(3)>

ここでコウジが言う「優勝者」は、まさに自分のこと。
これは全てその後の彼の行動に繋がるようにわざと書いたんですが、彼もまたタッチの差なんです。
後に繋がるさりげな~~い伏線として、決して印象強くなり過ぎないように(笑)

ヒョヌの立ち位置と見た目的にも、太刀打ちできそうな人物――それが修平。
彼はヒョヌのライバルとして、どうしても「いい男」であってほしかった。
で無ければライバルになりえないので、話の根幹が崩れてしまうからです。
彼は一時期自分を見失いかけましたが、それでも本来の彼の良さが出てきていて
ヒョヌと戦っていたころから比べると、株が急上昇~~~(笑)

その人が持つ、存在感。
まさに、鍵コメさんがおっしゃる通りです^^
彼は彼だからこそ、堂々と渡り合えた。
で無ければ、普通は億して引き下がるところです。
だからこそ心の中で決着がつけやすかった――という鍵コメさんの言葉は
私の書いてきた漠然とした彼の心の変化の方向性を、まさに言い表してくださっています!^^

>俺の気持ちは消えるしかなかった。

コウジの言葉ですが、彼はまさにこう思っていたと。
「諦める」でもなく「砕ける」のでもなく、「消える」しかなかったんです。
その感情が生まれたことさえ、まるで「不要品」のような扱いで
始めからなかったかのように、人知れず「消える」
それは誰もが無視したように、彼の恋に無頓着だったから。
ある意味、このことで彼の想いや彼の恋にスポットが当たったんですね。
そんなスポットの当たり方は、コウジにとっても不本意でしょうけど。

同じように恋をした、それだけなのに、本当に理不尽ですね。
当事者からすれば、それは流せることではないのかもと思います。
そして辛く哀しい方想いをしたことがある方なら
コウジの心情は、少なからずわかるのかもしれません。
でもだからこそ、それを見せつけられたように感じて、
コウジに、より嫌悪感を抱くこともあるかもしれませんね^^

決してみんな、「邪魔者だ」なんてそんな風に思っていたわけではないんです。
でも彼がそう感じるだけの雰囲気がそこにはあった。
そして彼が一番苦手としていた「杏子」だけは、確信犯的にそう思って排除してきたからでもあります。
杏子は優奈の親友で、この島でも中心的な人物です。
彼女の想いを感じていたからこそ、それを確信してしまったんですね。

だからこそ、カズヤに語りかけながら意識はその後ろの方にいる杏子を見ているんです。
それは彼が、ある種女性不審のようになった過去の恋人の
「お節介過ぎる友人」に繋がっています。

実はこの話、ここまででも凄く長いのですがもっと長いのです(笑)
ヒョヌの想いは、次話に持ち越しとなりました(笑)
そして、ここまで来てもコウジは悪あがきを^^;;
それはかつて修平の抱いていた想いにも繋がり、ここでまた修平は。。。。
そしてその想いが「旅立編」にも係わってくるので、お楽しみに♪

ヒョヌがヒョヌにしかできないこと、何故彼はこういう結論に至ったのか
そして修平が「優奈と似ている」と評した理由。それがふんわり伝わるといいのですが^^;

いつもいつも、丁寧なコメントをありがとうございます^^
主役不在で進み続ける本編(笑)
優奈の登場がどこで来るのか、彼女はどういう想いを抱いているのか
長過ぎて結論はまだまだ先ですが(笑)お楽しみに~^^

  • 2012/12/10 21:54
  • YUKA
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鍵コメNさん
鍵コメNさん、こんばんは^^
コメントありがとうございます♪

はい!冒頭からヒョヌさんの暴挙です!^^
生々しく感じてくださいましたか!
私はこういうバトル的要素の描写が大の苦手で^^;;そう言って頂けて本当に嬉しいです!^^

彼は最後に、その怒りをぶつけて終わりにすることを選択しました。
この終わりは、自分の中での区切り、ですね。
実はこの話、あまりにも長過ぎてどこで区切ったらいいかわからず(笑)
ヒョヌの想いは次話に持ち越しとなってしまいました^^;;
彼が何故、こういう思いにいたったのか、こうすることを選択したのか
鍵コメさんなら薄々気付かれていると思いますが、彼の心情は次話で^^

鍵コメさんのおっしゃる通り――
本来なら警察や第三者が介入して、被害者と加害者が同居するなんてありえませんね。
それだけでも、優奈にとっては相当のプレッシャ―であるはずです。

孤立した無人島。
私はこういう閉鎖的な空間は、実は人の本性が出ると思うんです。
確かに独りでは無く、多くの人がいるので、その眼が光っているということはありますが
それでもたかだか16名。
ひとつの意見に偏り、ひとつの意識に流れるには充分な少なさだと思うのです。
今までここで楽しく暮らせていたことこそ、実は奇跡なのではないかとも思います。
その中心にいた、全ての規範のような優奈が襲われた。
もうまさに「よりによって」です。
彼らを動かしているのは「怒り」なのか?とも思います。
そこに隠されているのは不安ではないかと。
だからこそ、コウジを糾弾することでそのフラストレーションまで解消しようとする
そんな無意識さもあるかと。

「ひかりごけ」という話をご存知でしょうか?
これは「ひかりごけ事件」というのがモチーフになっているのですが
極限の状況下での人の感情を見せつけられる思いがする話です。
その時の状況や心理は、そこにいた人間にしかわからない。そんなイメージをもっています。
コウジの状況も、違いはありますがこの話がどこかにあるかもしれません^^

今までなかった感情に、今まであり得なかった状況に、みんなが無意識に気を張って
そのことに疲弊している――まさに鍵コメさんのおっしゃる通りですね^^

>「俺はいつも蚊帳の外だった……」

このくだり、私はコウジの心情を表わそうと思って書いたものです^^
注目してくださってありがとう――!!

えぇ~~~嫌わない、嫌わない(笑)
本当にね、そういう感情って多かれ少なかれ誰しもが持つものだと思うんです。
ここにいる優奈、杏子、ヒョヌ、修平は、普通の世界に戻っても
誰からも羨望を受けるような人達で、もちろん彼らの資質もあるのですが
そのことが彼らを形作っているような気がします。
それを修平は一番感じているんです。
今まで思ったことのない感情、したことのない企て。
こういう状況で出てしまった自分の醜い部分、姑息な部分を感じていました。
彼は踏みとどまれましたが、だからこそコウジの気持ちがとてもわかる。
杏子がいてくれたから――修平が常にそう感じているのはそのせいです。
そしてその後の彼の行動は、そんな自分への叱咤でもあったり^^
この島は、そういう人の脆さも孕んでいるんですね。


人が人を裁くことの怖さ、難しさ。
それがこんな状況なら、もっとですね。
そのことについては、いずれ主役が話すと思いますが(笑)

コウジは罪を犯しました。それは誰の目にも明らかな罪です。
でも罪は彼だけにあったのか?
自分は罪を犯したことはなかったか?
それは一般社会なら、罪と呼べるものではないかもしれない。
でもこの状況で、彼を追い込んだものは何だったのか。


罪に対しての罰とは?
そもそもこの罪に対する最適な罰ってどういうものなのだろう?と考えてました。
罪というのはどこまでのことをいい、それを償うにはどうすればいいのか。
では償うということとは?
どんな罰を与え、どんな償いをして……その先は?

罪に対して罰を与え、償わせたなら赦しがあるはずなんですね。
本来刑罰で処罰して罪を償えば、それで罪は償われたことになるからです。
でもここでは、裁判にかけることも刑務所に入れることもできません。
ではどうする???と、優奈は(私は)考えております(笑)

そして、この<懺悔>の章。
懺悔は誰が誰に対してしているものなのか――ということも色々考えています^^
考え過ぎて、わけがわからなくなって、私が負のループに……orz

優奈はある思いを抱いています。
彼女らしい一面でもあるのですが、今まで少しづつほんのり書き綴った伏線は
彼女の行動に繋がっています^^

その答えが出るまでまだまだ先は長いのですが、
この先語る優奈の想いまで見届けて頂けると嬉しいです^^


  • 2012/12/10 22:32
  • YUKA
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とことんまで救われんやつだコウジくん……。

なにを書こうともこのひとことに凝縮されてしまう(汗)
ポール・ブリッツさん
ポール・ブリッツさん、こんばんは^^
コメントありがとうございます♪

遅くなってすみません^^;;

そうですね。とことん、負のスパイラルに嵌まっているコウジ^^;
ええ~~
何を言ってもダメですか?
ポールさんは、正義の人ですね^^
さてさてコウジくんは、まだ悪足掻き中です(笑)
目を覚ませ~~~~~!

  • 2012/12/15 19:12
  • YUKA
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