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【花魁杏絵巻】10 エピローグ 絵画の待ち人




【花魁杏絵巻】



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飾り12



エピローグ


*絵画の待ち人*






年寄りの戯言に、随分長いこと付き合わせてしまいました。



お気に召して頂けましたか?

それならば幸いでございます。

随分と日が暮れてまいりました。


そろそろ閉館の時刻。

夜路にお気をつけてお帰り下さいませ。






はい?

その後、天眼太夫の末路でございますか?

それはようとしてわからないのでございます。

天眼太夫はその出自と同じく、この先どこでどうされたのか。




ただ――

若様と姫君になられたおゆな様のご祝儀は

それはそれは盛大なものだったと伝え聞いております。

若様のお国下では、城下の者の間を馬に揺られてねり歩く

たいそう幸せそうなお二人の姿があったとのこと。


空木が風に揺れて真っ白に綻ぶ、麗らかな春の日和でございました。




そう言えば――

その行列の見える町の隅で

見目麗しい女性と、傍らに寄り添う長身の男がひっそりと見物していたと申します。


婚儀のお二人に負けぬほどの、見かけぬ美男美女の姿は

村の者の記憶にも鮮明に残ったのでございましょう。

その話が風のように流れて若様と姫君の耳に届くと、

お二人はなぜか、とても喜んでおられたそうでございます。



え? この絵を買いたいと?

申し訳ございませんが、それは無理な話でございます。


いえいえ、金銭の額ではございません。

この絵は、人を待っているのでございます。




この絵を描かれた絵師様は、今生の想いを込めてお描きになりました。


その想い人はただ一人――


天眼太夫でございます。




それは無理だと?

ええ。もちろん、天眼太夫はこの世におりません。

このお話の真偽のほども、わかっているわけではございません。


それでも信じているのでございます。

いつの世にか転生し、この絵をお持ちになられる日を。




それに、この絵には不思議な力があるのでございます。

見るものを惹きつけるその絵の素晴らしさのほかに、


天眼太夫のごとく

人を選ぶのでございます。




今まで数多(あまた)の方がこの絵を所望されてまいりました。

中には力ずくでという豪胆な方もおりましたとも。

しかし真の持主たる資格のない方がお持ちしますと、その方に災いが及んでしまうのです。


ある者は財を失い、ある者は不幸に身まかられ、

中には非業の末路を迎えた方も。


お客様の御心配には及びません。

ここでこうして鑑賞するだけならば、その咎は受けますまい。



この絵の心配をしてくださっているのですか?

確かに、人目につきづらい画廊の奥――

人の口にのぼるのも容易なことではございませんが。


だからよいのです、お客様。

いえいえ、宣伝などは不要でございます。



天眼はその先、千里も見通すと申します。

天眼太夫が転生された方ならば

例えこのような萎びた画廊にひっそりと飾られていましても、

その眼で必ずや見つけてくださいましょう。





私どもは、その日をただお待ち申し上げているのでございます。


いつの日か


この絵の真の待ち人が来られることを――













飾り12

120804.jpg


飾り13



























飾り12 





<キャスト>



天眼太夫(てんげんだゆう) 
お杏(きょう)
相田 杏子




修衛門(しゅうえもん)
石野修平



若様
神田陽之進(かんだ ひよのしん)
カン・ヒョヌ


おゆな
鳴澤優奈


かず
カズヤ
(友情出演)


忘八(ぼうはち)
楼主


空木太夫(うつぎたゆう)
天眼太夫の姉太夫


揚羽太夫(あげはたゆう)
天眼太夫の妹分


鬼神の狂六(きしんのきょうろく)
冷酷非道な火付盗賊


神田直正(かんだ なおまさ)
陽之進の父


相馬影勝(そうま かげかつ)
相模藩元藩主 


相馬影近(そうま かげちか)
影勝の息子 相模藩藩主


お志津(おしず)
影勝の妻


盾脇佳十郎(たてわき かじゅうろう)
相模藩 元家老


おしの
佳十郎の妻


鳴澤屋喜兵衛(なるさわや きへえ)
おゆなの父


戸倉道長(とくら みちなが)
佐野藩の家老


あや姫
戸倉の娘




<特別出演>

ふう(猫)

ブログ:また吐いちゃった
HIZAKIさんの散文に出てくる主人公「涼くん」の飼い猫。





<special thanks>


チョコさんへ、愛を込めて♪








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Comment

ああああ・・・終いでありんすなぁ。
ハッピーエンドを遠くで見守る美男美女、より格好良いでござんす。
そしてエンドロールのラストに「ふぅ(猫)」… ありがとうございます。
お涼も喜んで拍手しておりますw

締めにチョコ桟のイラスト。素晴らしい演出で心に刻まれ度、☆三つでございます。

良い作品ありがとうございました!

HIZAKI

PS あれほど手を洗ってウガイせなあかん言うたのにぃ><
  • 2012/12/14 00:14
  • HIZAKI
  • URL
お疲れ様でした^^
  • 2012/12/14 04:18
  • フラメンティ
  • URL
アンコール!
  • 2012/12/14 07:36
  • ポール・ブリッツ
  • URL
こんばんはっ(*´∀`*)!
おおおぉ、美しい幕引きです・・・っ(*´Д`)
そうだったそうだった、チョコさんの素敵すぎる花魁杏子さまの絵画にまつわるお話をーということだったのでしたねっ!
すっかり本編と同じようなハラハラワクワクのストーリーに惹きこまれていって、画廊にひっそりと佇んでいた事を忘れていました(;´Д`)!!

おゆなさんと若様の婚儀に、ひっそりと見守りに来たお二人のお姿が目に浮かぶようです♪
きっと自分のことのように、いやそれ以上に喜び、幸せを願っていたのでしょうね。。。
華やかな江戸の光と闇、闇の中でも一際輝く天眼太夫の智によって救われた町娘、そして幸せを手にした若様。
杏姉様の行方は・・・!?( ゚д゚;)
気になりましたが、きっと強かな彼女ならその才で幸せを手にしていると信じています^^♪
勿論、彼女の隣には修さんが居るのでしょうね~~(*ノェノ)キャー!

本編の執筆も大変だったでしょうに、ここまでハイクオリティハイペースで更新されて完結まで、お疲れ様でした!!
本編とリンクした時代小説、読んでいる私も江戸へタイムスリップしたような臨場感に溢れていて楽しかったですっ(*´∀`*)

そして、最後のスタッフロールに、チョコさんの杏子さま・・・
素敵ーー!!この演出も込めてすっごく凝ってて、美しくまとまってさすがでっすーーヽ(=´▽`=)ノ!!
チョコさんの絵を見て、これにて幕引き・・・と思うと、まるでひとつの映画を見終わったような感覚に陥りました☆

御体の調子が良くないようですゆえ、コメントのお返事など気にせずにゆっくりとお休みになってくださいまし。。。(´∀`*)ノ
素敵な夢の時間に酔いしれましたっ(*´ェ`*)ポッ
ありがとうございます♪
HIZAKIさん
HIZAKIさん、こんばんは^^
コメントありがとうございます♪
お返事か遅くなってしまって、申し訳ありません^^;;

そうなんです~~
終わりましたね^^
とうとう、最終話まで無事にUPできました^^
今回はイラストから発想したお礼短編で、いつも書かない時代物。
途中、どうなるかと思いましたが、何とかまとまったでしょうか?^^

ふうちゃん、特別出演ありがとうございました^^
チョコさんのイラストで締めようと考えていたので
そう言って頂けてとても嬉しいです♪
素敵なイラストを書いてくださったチョコさんに感謝ですね^^

わぁ~~~☆3つ、頂きました♪
また楽しんで頂けるお話をかけたらいいなと思います^^
最後まで読んでくださって、本当にありがとうございました^^


P.S.
すみません^^;;風邪、まんまと潜り込まれました^^;;
かなりしつこいストーカーのようで、ちょいと弱ってます(笑)
でもだいぶ良くなってきました^^
ご心配かけてすみません^^;;
  • 2012/12/15 19:36
  • YUKA
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フラメンティさん
フラメンティさん、こんばんは^^

最後まで読んでくださって、ありがとうございます♪
私も楽しめました^^


  • 2012/12/15 19:37
  • YUKA
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ポール・ブリッツさん

ポール・ブリッツさん、こんばんは^^
コメントありがとうございます♪

わぁ~~~
アンコール、ありがとうございます(* ̄▽ ̄*)ノ"
いつかまた、天眼太夫の痛快ものを書けたらいいなと思います^^

予定は未定ですけどね(笑)
  • 2012/12/15 19:41
  • YUKA
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  • Edit
なによしさん
なによしさん、こんばんは^^
コメントありがとうございます♪

楽しんで頂けましたか?良かった~~~^^
私も書いていて、凄く楽しかったです。

実は勢いで「プロローグ」を書いた後、全くのノ―プランで(笑)
2話と3話を書くのは、四苦八苦していました^^;;
で3話をUPする前に、このラストだけ書き終えていて^^
ここに向かって話しを構築しようと決めたんですね^^

4話からは書くのが楽しくて楽しくて、あっという間に書きあげました^^
その後も何度も推敲して書き足したエピもあるのですが
いろいろ調べなおしたこともあるので、かなり勉強にもなりました。

そうそう^^
私が最初に画廊で翁に語らせたので、やっぱり締めも翁だろうと^^
冒頭は翁の語り、追記で小説文と書き分けていたので^^

婚儀の決まった2人の姿を、やっぱり2人は見たいだろうと思ってたんです。
空木(うつぎ)の花が咲く、陽之進の郷里での婚儀。
お杏にとっては感慨もひとしおでしょうね。
そして彼女にはもう一つ、姉さまの郷里を見たかったという想いも^^

天眼太夫のこの後^^
彼女の持っていた「夢の華」を叶えに、長崎へ行っているかもしれませんね^^
若しくは本当に、異国へ出てしまったかも。
その手引きは修がいますし、きっとあの狸ジジイも一枚咬んでいると(笑)
この先は色々な含みをもたせたのですが
彼女も幸せになっている――そういう願いも込めてます^^

隣には、修がいますよね~~~キセルも受け取ったしね~~~(笑)

江戸時代モノは、杏子と修平にあっている気がします(笑)
かなり書きやすかったですよ^^

>チョコさんの絵を見て、これにて幕引き・・・と思うと、まるでひとつの映画を見終わったような感覚に陥りました☆

わぁ~~~この演出を喜んでくださいましたか!よかった^^
映画を観終わったようだなんて、本当に嬉しい言葉を><。。

最後はね、こういう方向でって決めてたんですが
太夫の末路は謎のままなので、皆さんどう思うかな~?と思ってました。
ほ、褒められ過ぎでデレデレしちゃいますが(〃'∇'〃)ゝエヘヘ

素敵なイラストを書いてくださったチョコさんに感謝です^^


風邪はね~~~こじらせてしまいました^^;;
もう、かなりしつこい奴で、私に纏わりついてます^^;
でもだいぶ良くなってきましたよ^^
なによしさんも、風邪にはくれぐれも気をつけてくださいね!^^


  • 2012/12/15 19:56
  • YUKA
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拍手コメのCさん
拍手コメのCさん、こんばんは^^
コメントありがとうございます♪
いつもいつも、心遣いがきめ細やかで、拍手コメさんの優しさを噛み締めています。
ご心配をお掛けしして、すみません。
お返事は良いとのことでしたが、私が書きたいので書きますね(笑)


空木――
気付いてくださったでしょうか?^^
陽之進とおゆなは、空木にも見守られているんです^^
ここには空木太夫が、きっといますよね^^

ラストの映画のようなENDROLL。
拍手コメさんの予想を裏切ってましたか?^^
はい。皆さんにも意外な締め方で驚かれておりますね^^
でも概ね好評で、よかった~~と胸をなで下ろしてます(笑)

最初の「プロローグ」が翁の語りで始まっているので
やはり締めの「エピローグ」も、語り口調で締めた方が、1つの作品としていいかなと^^

この一枚の絵のラストのために書いた作品!!
ありがとうございます^^
まさにその通りですね^^
イラストのお礼短編として立ち上げたこの小説。
今回のお話は、あくまでも絵を引き立たせるための小道具なんです^^
それでも読んで楽しめるものをって頑張りましたので
読んで頂けて、本当に嬉しいです^^

そうそう!
チョコさんはpowerstoneも扱う絵師様^^
そこに込める想いにも、不思議な力が宿るだろうというのがあったんです^^
そこまで汲み取って頂けて、拍手コメさんは相変わらずさすがです!!^^

最後まで読んでくださって、本当にありがとうございました^^

そして、ご心配をお掛けして^^;;
だんだん良くなっているのですが、かなりしつこい風邪で^^;;
拍手コメさんも、身体に気をつけて創作してくださいね^^

  • 2012/12/15 20:08
  • YUKA
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管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
  • 2012/12/16 10:29
鍵コメCさん
鍵コメCさん、こんばんは^^
コメントありがとうございます♪

ツイートでも見てましたが、少し大変そうですね。
気にしないでね~~^^
読んでくださっただけで嬉しいです^^


楽しんで頂けたでしょうか?^^それだったら、書いたかいがありまする!^^

いえいえ~~
私が花魁杏子~~なんて、つい口走ったのに
それをこんな素敵なイラストとして形にしてくださって本当に感謝しています^^
これは書かねば!!
そんな勢いで始めた「花魁杏絵巻」ですが、私もとっても楽しかった^^

色々わからないことを調べたり
新しい発見に唸ったりしながら
何とか完結できて感無量^^

ラストはね。
チョコさんと描いてくださったイラストに愛を込めて
ほぼ初めのころに構想は浮かんでいたの^^

この絵をより印象的にしたいと願っていたんですが
読んでくださった方々からも好評で、ホッとしてます(笑)

こんな素敵なイラストを、惜しげもなく描いてくださる鍵コメさんと
色々な想像を膨らませることができる素晴らしいイラストの方が凄い^^

感謝してもしきれないほどです><。


あ。
でも修はダメだしですね?(笑)
もう、絶対確実に言われると思っておりましたわ~~^^
ブラックな鍵コメさんが、不謹慎にも楽しいYUKAでございます( ´艸`)

もうこれは。。。
いつか鍵コメさんVS修平を書かなければなりませんね!
杏子の寵愛を巡ってのバトル勃発?!
完全にコメディーっぽいですが(笑)

今は書き終えた感で、新しいお話は出来てませんが
花魁の別の話も書けそうなぐらい、とても楽しい世界でした^^

コメントの仕方は気にしないでね^^
呼んでくださって、その上こうしてコメントを頂けて嬉しいです♪

寒い日が続きますから、身体には気をつけて創作してください^^
私の方こそ、ありがとうございました!^^


  • 2012/12/17 22:09
  • YUKA
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