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誓約の地/漂流編・40<伝言(2)>



島の探索を終え、みんなの元へ合流しようとしていた2人が見つけたものとは?







木箱11





 優奈は、デスクの上の手帳を開いた。

「これ!」

「何?」

「日記、かな?……英語?」

「なんて書いてある?」





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 この手帳を綴ることにした。

 私が船で遭難してこの島に漂流してから約1年が経ったと思う。

 記憶を留めておくために、事実を整理しながら書いておく。

 いつかこの島を出て、祖国へ帰るその日まで――

==================================



「…………」

「前に遭難した人がいるってこと?」

「たぶん」

 優奈は手帳の最初に折りたたんで挟んであった数枚の紙を読んだ。



==================================



 救助が来た! とうとうその日が来たのだ!

 多くを書き残す時間がないが、救助隊とともにここを離れる前に記す。

 この手帳は、祖国へ持ち帰る予定だったが、

 この地に同じように漂着してしまった同志のために残していく。
 

 私がこの島に漂着してから、約4年半が過ぎた。

 しかし、今これを手にしている諸君、希望を捨てないでほしい。

 ここに、必要と思われるものが残されている。

 建物と一緒にそれを全て使ってかまわない。

 不安も動揺もあるだろうが、信じて待っていてほしい。

 いつか必ず助けは来る。それまで辛抱して生き延びてほしい。



 では、諸君の幸運を祈る!
                    A・J・ランバート



==================================



「……4年半?」

「…………」

 2人は顔を見合わせた。

「どうしよう――」

「…………」

「これ、みんなに見せるべきかな?」

「そうだな」

「長い、よね?」

「確かに。――でも、救助は来たってことか」

「…………」

「これが正しいなら――この人は生きてここを出た。僕たちは生きてる。生き残れる方法があるはずだ」

「うん」

「いつ救助が来るのかはわからないけど、この人は生き延びたんだ。僕たちだってなんとかなるさ」

「これ――」

「ん?」

「この紙だけだけど、同じ文章を数カ国語で書いてあるみたい」

「え?」

「英語、ロシア語、中国語、フランス語、アラビア語、スペイン語……ん?」

「――何?」

「…………」

「どうした?」

「ううん、何でもない」

「数カ国語、か」

「大概の人が、ここにある言葉で読めるはずだよ」

「読ませる気が、あるってこと?」

「そんな気がするけど。――ここに、移動してきた方がいいかな?」

「…………」

「危ない?」

「ん――、雨も風も凌げるし水場も近い。今までよりはいいかもね」

「まず、掃除が必要――かな」

「とりあえず全員で決めよう。それと、伝えるのは一通り読んでからの方がいい」

「うん」

「救助されるまでが、ちょっと長いからね」

「…………」

「男もそうだけど、特にリョウコちゃんあたりは、パニックになるかもしれないでしょ?」

「伝え方が、重要だよね」

 ちょっと緊張した顔で手帳を見つめる優奈に、ヒョヌはそっと微笑みかける。

「……大丈夫?」

「私は平気。オッパがいるもの。みんなへの説明を考えなきゃ」

 そう言って笑う優奈にヒョヌは笑顔で答え、彼女の頬をムニュッと掴む。

 そして照れたように微笑んだ優奈の額にキスをした。

「優奈なら大丈夫だよ」

「――ねぇ、オッパ」

「ん?」

「ここに書かれてる、必要と思われる物って――」

「たぶん箱のこと、かな」

「…………」

「やっぱり、開けてみる?」

「――うん」















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Comment

な、なんて意味深なメッセージ・・・!
この遭難は仕組まれていたのでしょうか!?
偶然ではなく誰がが意図的に遭難させたのか?
それともそれが運命だったのか?

それにしても優奈さんが可愛すぎてもうヒョヌになりたいこのごろです!
なによしさん、こんばんは^^
読んでくださってありがとうございます^^

優奈、可愛いですか?嬉しいです^^
優秀な子のはずなのに、
なぜか、どんくさい子になってきている気もするんですけど^^;;;

メッセージは、ね~~~~!

ヒョヌになり切って、優奈をかまってやってください(笑)

  • 2011/10/14 17:30
  • YUKA
  • URL
四年半……まるでほんとのロビンソンクルーソーですな。(^^)


ゴールディングの「蠅の王」が一瞬頭をよぎってしまったことは……ナイショです(^^;)
ポール・ブリッツさん、こんにちは^^
ポール・ブリッツさん、こんにちは^^
あ、やはり?^;;

はい、内緒です(笑)
  • 2011/10/28 13:53
  • YUKA
  • URL
遺書にも近い気もしますけどね。
まあ、実際に本当なんでしょうけど。
これは希望の書であり、本当の書でない可能性も十分にあるわけであって。。。ということまでは考えなくていいか。考えすぎですね。

紫陽花の恋の連載終わりました。
今まで立ち寄って頂きありがとうございます。
また次の連載のときよろしくお願いします。
  • 2013/07/04 20:08
  • LandM
  • URL
LandM さん
LandM さん、こんばんは~^^

あ、なるほど。遺書。
言われてその可能性もありだなって思いました(笑)
これは色々含んで書いているのですが、種明かしはもう少し先の章でですね^^

紫陽花の恋、読了しておりました――♪
お疲れさまでした^^
とてもピュアな恋で、心がホッとする感じです^^
続きは来年の紫陽花の頃でしょうか?^^
そういう続け方、素敵ですね^^
また他の続きも読ませて頂いてます^^

  • 2013/07/07 20:55
  • YUKA
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