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誓約の地/漂流編・108<迷走(6)>


本日はMNの136話<迷走(7)>の2/2再掲載です。





*お願い*

自己満足的に、だいぶ推敲・改訂してあります( ̄m ̄〃)
ヒョヌの葛藤と修平のやり取りから、2人の男の想いを汲み取って頂けると嬉しいです^^

コメントを頂けると非常に嬉しいですが、
なんせ再掲載なので(〃'∇'〃)ゝ
読んだよ~~のかわりに、拍手ボタンを押して頂けるのでも励みになります^^

ではでは、新掲載前に思い出して頂けると嬉しいです(笑)





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「そっちこそ本当にわかってんのか? 見つかった時、いつも通り優しく抱きしめてやらなきゃならない。それはお前にしかできないんだよ!」

「そんなことは――」

「あんたが動揺していれば、必ず優奈も動揺する」

 修平の真剣なまなざしがヒョヌに突き刺さった。

「今のあんたじゃ、優奈をまるごと抱きとめてやれないだろうが!」

「――――」

「優奈を見つけるために全員で協力する! 必ず見つける! でもその先はあんたの役目だろう? あんたにしかできないんだよ!」

「――――」

「だから……ヒョヌさんは優奈を見つけた後のために、少し冷静になれ」

 修平の言葉にヒョヌは何も言うことが出来ず、2人は暫く黙って睨みあった。


 傷ついているのは身体だけでは、ない。

 むしろこのことで一番傷ついているのは――


 修平の言うことは正しい。

 そんなことはわかってる――そう思っても実際は言葉にならなかった。

 それよりも先に、無事見つかるのかどうか。

 もしも、もしも――

 不吉な予感を全力で否定しながら、ヒョヌは荒れ狂う感情で発狂しそうだった。

 
  

 叫びたい感情を懸命に抑え込み、ヒョヌはそのあと一切の表情を消して押し黙った。

 その肩を掴んで、修平は諭すように話し続ける。

「何時間もかかるわけじゃない。あと30分もすれば、たぶん夜が明ける。あともう少しだ」

 まるで自分自身に言い聞かせるような修平の言葉で、ヒョヌは我に返った。

 優奈との関係はここに居る誰もが知っている。

 そしてこのことで、みんなが一番気にしているのが自分だということもわかっていた。


 優奈と行動をともにし、その時々で起こることを一緒に考え行動してきた。

 語学の上達に合わせていつの間にかヒョヌへの相談ごとも増えていった。

 その自分が動揺すればそれが伝染する。それは優奈だけではないだろう。

 修平のもう一つの思いを汲み取ったヒョヌが肩の力を抜いた。


 それを感じ取り、修平は全員を振り返る。

「次の捜索は全員一枚ずつ毛布を携帯しよう。リョウコ、エリ。捜索する人数分の毛布を用意してくれ」



 その言葉に弾かれた2人が部屋を出ていくと、杏子が全員に暖かい飲み物を淹れてきた。

 最後にヒョヌへ手渡すと、2人は無言で目を合わせる。


 考えていることは同じだと、お互いにわかっていた。

 その眼に浮かぶ不安も焦りも同じものだった。





 それぞれが無言のまま夜明けを待つ。


 ヒョヌは窓の傍に佇んだまま東の空を睨みつけ、この長い夜が明けることをただひたすら祈っていた。














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Comment

136話<迷走(7)>1/2と2/2、拝見しました!

おおおおおおおおお・・・!
か、かなり推敲されていらっしゃる・・・!!

思わずウィンドウ2つ並べて読み比べてしまいましたお> <

ヒョヌさんは焦る気持ちがより、修平さんは、自分が冷静になってヒョヌさんを導かなければ駄目だ、という熱さと強い意志をより強く感じる推敲でした・・・!!

特に、冒頭の、

>「あんたが動揺していれば、必ず優奈も動揺する」

に始まる、修平さんの「お前」から「あんた」への推敲が印象的で・・・!!
お前、というと、思いを共有してる感じがするけれど、あんた、という呼びかけは、少し距離を感じます。
無理に突き放すようなところの裏には、冷静になれるのは自分しかいない、よりヒョヌさんを説得している事が強調されるというか、すごい> <

また、台詞を分けると、何ていうか、すごく思いがひしひし伝わってくる・・・!!
小説の表現の妙技を見た思いが致しました。


前話の、136話<迷走(7)>の1/2の

>「優奈はきっと……呼んでる」

が、特に良かったです。
これは、私は、推敲後の方が断然いいと!!
切なさや張り裂けそうな不安や心配な気持ち、優奈さんを助けたい、そういう気持ちがこれだけでぐっと伝わってきました。

作品に対する愛情や思い入れをすごく感じました。
作者様のそういう純粋な情熱は、本当に我々読者を惹き付けて止まない・・・と思うのです> <
canaria さん
canaria さん、こんばんは^^
コメントありがとうございます♪

わぁ~~~~読んでくださった上に、
この自己満足的な推敲と改訂に気付いてくださったとはっ!!
そして!小説の表現の妙技とな?!
うわぁ~恐れ多くて穴があったら入りたいほどの褒め言葉です(///∇//)テレテレ
貴女は天使でございますね!そうに違いない!!><。

そうなのです。
ヒョヌの動揺――これは好きな人を失うかもしれないという状況ではありかと。
彼はそれほど優奈を大事に、そしてかけがえのないものと思っているのですね。
彼のこの時の暴走は、実はあとで意味があったりします。
ま、私の中でですが(笑)
その辺は本編にもかかわる重要な番外編で、そのうち明かします(笑)
だからまだ話せませ~~~ん♪

そして修平――
優奈には杏子もいますが、彼女もまた優奈に非常に近いので
動揺具合もヒョヌとあまり変わりません。
そんな2人が暴走しそうになる中、彼らを引きうけて引き留めるストッパーが必要でした。


>「優奈はきっと……呼んでる」

ここを取り上げてくださってありがとうございます><。
これは、優芽の樹掲載104<迷走(2)、若しくはMN133<迷走(4)>の

>その時、森で捜索中のヒョヌは後ろを振り返った。
>誰かに呼ばれた気がしたのだ。

に、かかっているんです(笑)
だから少し強調したかったので、気持ちが伝わると言って頂けて嬉しい♪
誓約の地は、そういった細かい自己満足的伏線のようなセリフがいっぱいで(笑)
裏話でも取り上げられないほどです。
というか、「どこがどこに」って調べるのが大変なだけですが^^;;;


canariaさんはご存知かもしれませんが
以前から「脇役から急激に主役級に昇格した」と言っていたのは「修平」です^^
プロットを描いている、話を構成している初期のころには
コウジのポジションが実は「修平」でした(笑)

でも話を作っていく上でヒョヌ側の他視点が欲しくなり、彼が昇格したんです^^
だから途中からプロットが思いっきり変わってます(笑)

杏子を戒め、ヒョヌを諌め、ヒョヌと同じ思考で考えられる「男性」が欲しかったんですね。
そのためにも、修平はヒョヌと同じように優奈に恋をして貰う必要もあったんです。
杏子とヒョヌの想いに共感も出来るように。
そうしていくうちに、思っていた以上の重要人物になりました~~
今までも、そして実はこれからもです^^


そうそう!
「お前」から「あんた」への変化に気付いてくださいましたか!!
本当は最初に「あんた」で書いていたんですが、途中で変えたんです。
でも彼のキャラ的に、やっぱり「あんた」がしっくりくる気がしまして。
仰る通り、冷静にするためにワザと突き放しているんですね。
ですが彼も結構熱くなっているんです。
だから、いつもはどんな時も「ヒョヌさん」と呼んでいたのに、「あんた」に変わっている。
そして、最後の

>「だから……ヒョヌさんは優奈を見つけた後のために、少し冷静になれ」

で、ヒョヌさんに変わっているのは、彼自身も話しながら冷静になっていったというか。
その気持ちの変化みたいなものを「だから……」の……が含んでます(笑)

って、何説明してるんでしょうね~(*ノ▽ノ)イヤン

修平にはもう一つ重要な役割があるのですが、それはまた先のお話で(*^m^*)

有り難過ぎるコメントを本当にありがとうございます><。

  • 2012/08/21 23:51
  • YUKA
  • URL
  • Edit
とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
マナーさん
マナーさん、こんばんは^^
コメントありがとうございます♪

はじめまして。
優芽の樹の管理人、YUKAと申します^^

つたない小説ですが、そう言ってただけて凄く嬉しいです^^
読んでくださった上に、コメントまで!!
ありがとうございます♪
これから先、まだまだ続く長編ですが
良かったらまた遊びに来てください^^

お待ちしています(* ̄▽ ̄*)ノ"

  • 2012/08/23 21:21
  • YUKA
  • URL
  • Edit
う~む、大変なことになってしまいましたね。
ヒョヌさんの苦悩が窺えます。
修平や杏子姐さんの焦りも。

修平の言っていることはもっともですね。
優奈ちゃんが見つかった時に一番彼女の助けになるのはヒョヌさんだろうから。
修平くん、かっこいい!
  • 2012/10/11 06:09
  • 西幻響子
  • URL
  • Edit
西幻響子さん
西幻響子さん、こんばんは^^
コメントありがとうございます♪

おお!ここまで読んでくださいましたか!ありがとうございます^^

そうなのです。
誓約の地、初めてと言ってもいいぐらいの大事件です!(笑)

ヒョヌと杏子は、色々な意味で危険を感じてはいました。
ですが、そこまで疑えなかったのも事実です。
そのことで結果的にこんなことになってしまった――
彼らの動揺と不安、苦悩は計り知れないのです。

優奈を中心にして、恋人であるヒョヌと親友である杏子は、双璧をなすほど近い存在です。
だからこそいつもよりも動揺し、感情が暴走していきます。

それを現実に引き留める存在、それが修平。
実は修平にはその役割を振っていたため、優奈に恋して貰う必要がありました。
優奈を想うという気持ちを、ヒョヌや杏子と共有できるように。
そして、コウジとも。
修平だからこそわかる、コウジの想いと葛藤。

彼が優奈に恋をして敗れ、落ち込んで沈み、杏子のおかげで浮上し取り戻す。
彼はその両方の気持ちが理解できるキーマンなのです^^

今だからこそのお話で、以前話したかもしれないのですが
このコウジ君の役回り――
実はプロット上では当初、修平だったのです(笑)
本当に初期のころですが^^
ですが話を書くにつれ、彼がそこにいては進まなくなり――
主役クラスに(勝手に)昇格した登場人物です(笑)

西幻さんは、当初から修平を応援してくれてましたよね~^^
ヒョヌと修平は色々な意味で対比があるのですが
ヒョヌはいわゆる「韓国スター」らしく描こうとしていますから。

そしてここまでで優奈とヒョヌ、杏子と修平はどこか似ているという、
私なりのカップリング設定の裏設定も(笑)

実は先々を想定しての設定なのですが
似ているもの同士と、似ていない者同士。
どちらを選択しようか、当初考えていたことでもありました。
ネタばれになるのでここで書きませんが、意図はあるのです(私なりにですが^^)

修平はだいぶ人気が上がってきました(笑)当初はぼろくそでしたが^^;
この先どうするのか、なかなか大変です。
でも一生懸命な彼らを見て頂けると嬉しいです^^



  • 2012/10/11 23:49
  • YUKA
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