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誓約の地/漂流編・38<告白(4)>



優奈への想いが、日に日に強くなっていくヒョヌ。


彼女の気持ちを掴めず、煮え切らない自分に耐えきれなくなっていく。




彼女への想いを伝えようとするヒョヌに、優奈が伝えた思いとは?







==============================================




 どのくらいの時間が経ったのか。

 ほんの一瞬だった気もするし、長い長い時間が経過した気もする。


――これは現実?


 そんなことをぼんやりと考えながら、優奈はヒョヌの腕の中でため息をついた。

「優奈?」

 腕の中で身じろぐ優奈の気配を感じて、ヒョヌが囁くように声をかける。

その声に反応してヒョヌの胸に埋めていた顔をあげた。

 見上げると優しく微笑むヒョヌがそっと見つめている。

 あぁ私はこの瞳が大好きだな――

そう考えてその瞳を見つめた。

 瞳の中に自分が映っているのが見える。

煌めくように輝くその瞳は、柔らかく微笑んでいるように見えて、またため息が出た。


――夢、かな? 夢なら覚めないと良いな。


 相変わらず呆けたように彼を見つめて、そんなことを思った。

「夢じゃないよ?」

 彼は目をちょっと見開いてから、また少し笑った。

 心の中で思っただけだと思っていたのに、いつの間にか声に出していたらしい。

 そうかなと優奈が呟くように問いかけると、彼は顎を少し持ち上げてまたふわりとキスをした。

「夢じゃないだろう?」

 だからそれが夢のようなんだと心の中で呟いても、今度は上手く言葉にならない。

 潤んだ瞳を揺らして、半ば陶然と見つめる優奈にヒョヌは苦笑する。

「それは、困るから」

 ため息をつくように囁く声にちょっと驚いて優奈は首を傾げた。

 その仕草が想いのほか可愛くて、ヒョヌの顔に思わす笑みが零れる。

「何が困るの?」

 見あげてくる優奈の頬をヒョヌは両手で挟んで、瞳を覗き込むようにして囁く。

「今更、これは夢ですって言われたら」

「あ、私も。でもホントに夢みたいで――」

 そう言った瞬間、優奈が次の言葉を紡ぐ前にヒョヌの唇で塞がれる。

「んん――」

 今までより深いキスだった。

 優奈の柔らかい唇を含むように啄ばんだ後、柔らかく吸いつくように舌を絡めていく。

 彼女の息が上がるのを見計らって、ヒョヌはそっと唇を放した。

「現実――でしょ? わかった?」

「…………」

「現実だって認識するまで続ける?」

「――――!」

「続けてくれってこと、かな?」

 そう言ってちょっと意地悪く微笑む。

 またキスをしようと近づいてくるヒョヌに、優奈はハッと我に返った。

「あ、そういう意味じゃなくて!」

「ん?」

「そ、そんな事言ってない!」

「……もうするなってこと?」

「あ、そういう意味でも無くって――」

 顔を赤くしながら慌てている優奈がおかしくて、ヒョヌはちょっと噴き出した。

「――――!」

「どうしろって?」

「…………オッパ、からかってるでしょ!」

「からかってないよ」

「うそ! いじわる」

「意地悪じゃないよ。本当に困る。これが夢だって言われたら――泣くかも」

 そう言って笑うヒョヌの言葉に、優奈の目が丸くなる。

「オッパが……泣くの?」

「そう」

 だからそれは困るんだと真顔で軽く頷いているヒョヌを見て、優奈も思わず笑ってしまった。

「優奈、もう一回キスしていい?」

「――――!」

「ダメ?」

 微笑みながらヒョヌが囁く。

「……オッパ」

「ん?」

「私を困らせて――楽しんでるでしょ!」

「困らせてないよ」

「だって――何で確認するの?」

「強引には良くないかな? って思っただけだけど」

 しれっと言い放つヒョヌに、もう散々したくせにと口を尖らせる。

 何で今更? と頬を膨らませている優奈をみて、ヒョヌはにやりと笑った。

「そっか。じゃあこれからは、好きな時に好きなだけすることにする」



 え? っと驚いて優奈が次の言葉を発する前に、ヒョヌはもう一度唇を落とした。









     ***








「しまった」

 いきなりそう呟くヒョヌに驚いて、優奈も顔をあげた。

 優奈を抱え込むように抱きしめたまま、ヒョヌは辺りをそっと伺うように見ている。

「どうしたの?」

「いや――さすがに、こんな水辺で」

「…………?」

「普通、水回りは動物が集まり易いから」

 そういうヒョヌの言葉に、優奈はちょっとビクッとする。

「何か、いるの?」

「いや、まだ」

「…………」

「ごめん、ごめん。驚かせた? 初めて来たところだから余計なのに、ちょっと注意を怠ったなって思って」

 余裕なさ過ぎだなと苦笑するヒョヌに優奈も笑ってしまった。

「足元に気をつけて、ちょっと周りの様子を確認して帰ろう」

 ヒョヌはそう言うと優奈をそっと離して手を繋ぐ。

 その手がとても温かくて、優奈は何だかとても幸せだった。









     ***









 探索の続きをして帰ろうと、ふと見つけた泉のほとりの登れそうな斜面を2人で登ってみた。

 森に分けて入って少しすると急に視界がひらけて、その土地の中央に建物がある。



 突然見つけてしまった建物に2人は顔を見合わせ同時に叫んだ。

「――教会?」
















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Comment

No title
おお! なんだかべた甘になってきていますね~。
間に挟まれる描写がきれいで素敵です。
そして……教会?
あまり、島の探索状況がよく分からないので、突然現れた形か、発見した系かはわかりませんが……気になるヒキですね。
続きが楽しみです。

本当にこの速さで、この長さとクオリティーを維持していることに尊敬を覚えますね。
自分なんか週一連載でもヒーヒー言っていますから。
しかもクオリティー低いですし……。

学ぶこと多数です。

これからも楽しみにしております。
それと、自分のブログのリンクに追加させていただきましたが、よろしいでしょうか?

それでは
Re: No title

grho 様、こんにちは^^

甘甘ですね(笑)

2人とも無駄に悩んでいたので、甘甘が書きたいです^^
ヒョヌは、押さえていた「タガ」が外れたので、これからますます暴走――!
……健康な成人男性なので致し方ない(爆)

暴走ラブ甘はパスを掛けますので、苦手だったらスル―してくださいませ。

それをどこで修平が知るのか……可哀そうな修平。
実は私は修平もお気に入りで^^彼の今後に期待したい♪
――――って、私が書いているんですけど(笑)


無駄に早いんですが、毎日更新がこんなに大変だとは!!!
自分の首を絞めてます^^;;;私はゼイゼイ言ってます……。

教会。
いくつか意味があったり、なかったり。(←どっち?)
どんな風に彼らが進んでいくのか、私がすでに若干不安です。


自分の首が絞まっていて、なかなか遊びに伺えなくてすみません。
またお伺いします^^今度はコメントも残しますね♪

リンク、嬉しいです♪ 私も追加させて頂きます^^
今後ともよろしくお願いします^^
  • 2011/10/09 15:08
  • YUKA
  • URL
今晩は~
ここまで拝読いたしました

意外な展開?

後ろ髪を惹かれる想いですが

今夜はここまでにしておきますねw
  • 2011/10/17 22:11
  • いちごはニガテ
  • URL
いちごはニガテさん、 こんばんは^^

そんな風に感じて頂けて嬉しいです^^

はい、お暇な時で結構です*^^*
  • 2011/10/17 22:24
  • YUKA
  • URL
わかったこの島では『深層意識が望むこと』が、そのまま実体化するんだ(←もちろんジョークです)

ここで仮の式をあげるんですか? ロマンチックであります。うわーうわー!!(≧▽≦)

後は牧師さんか神父様をどこで見つけてくるかだけですね(^^)
ポール・ブリッツさん、こんばんは^^
ポール・ブリッツさん、こんばんは^^
読んで頂けて嬉しいです♪
うわぉう~~っ!
画像の教会、綺麗過ぎですけどね^^;
そうきたか~~~といって頂けますように(祈)
やりやがったな!とか言われませんように(笑)

さすがに、どこからか湧いて出るわけにはいきませんね~~
「LOST」になっちゃう(笑)
  • 2011/10/27 20:35
  • YUKA
  • URL
教会まで直行するかあ。。。
まあ、それはそれでいいですけどね。
しかし、期間にすると速すぎるような気もしますが。
教会があるということは、人の文明が存在していたということですかね。
  • 2013/06/29 16:53
  • LandM
  • URL
LandM さん
LandM さん、こんばんは~^^
コメントありがとうございます!^^

あ~~~そうですね。ちょっと早いのは私も(笑)
でも一応、この状況下で半年ぐらいになるのですけどね~~^^;

教会。
そうですね。
ここには文明が少し。。。文明と言っていいのかわかりませんが
そこには人工的な手は入ってますね。
  • 2013/07/01 20:01
  • YUKA
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