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誓約の地/漂流編・100<懸念(4)>



誓約の地/漂流編・100<懸念(4)>



ツイッタ―では先に呟いてましたが

とうとう、優芽の樹の連載でも「誓約の地」が100話を迎えました♪

なんだろう~~感無量です(*´∇`*)

ま、すでにMNでは掲載積みなんですけどね(笑)

1話の文字数が異常に多い「誓約の地」^^;;

週一更新にしてから特に、読んだな~~と思ってもらえる長さにしようと奮闘しております^^

ケイタイ閲覧の方を考えると、文字数は半分から1/3が妥当なんでしょうけど^^;

それにもめげずにお付き合いしてくださっている皆様、本当にありがとうございます♪



100話まで来ましたので

これから少しづつ、ダイジェスト版あらすじも作成していこうかと思っています。

なかなか時間が取れず(ええ、料理ブログなんて始めてしまったのでよけい^^;)

少しお時間を頂くと思いますが、

長いので躊躇していた方にもここから読み始めて頂けるように

はじめから読んでくださっている方にもおさらいとして

読んで頂けるものになるように頑張ります(* ̄▽ ̄*)ノ"

ではでは、今日は100話をお楽しみいただければ幸いです*^^*


100話

飾り13






 暫く考えていた修平は、優奈の目を覗きこんで問いかける。

「ひとつ、聞いてもいいか?」

「何?」

「あいつ、昔何かあった?」

「どうして?」

「いや、何となく――」

 明確なものがあるわけではなかった。

 しかし、以前話した時の何処か影のある杏子の姿が忘れられなかった。

 自分の知らない過去に何かあったのだと思っていた。

 それなら幼馴染みで親友の優奈が何か知っているかもしれない――そう思っていた。

「杏子は、何か言ってた?」

「いや」

 修平が「かわされた」と苦笑すると、優奈は小さく噴き出した。

「なら、私も言わない」

 そう言って優奈が微笑んだ。

 修平は問い詰めようと少し身を乗り出したが、優奈の額に乗せたタオルが目に映った。

 相手は病人だったと思いなおしてそのタオルを取り、氷水で冷やし替えてやりながら苦笑する。

「親友に確認するのは、ルール違反か……」

 そう呟いた修平に、優奈は「そうね」と言って笑った。

「そのうち、話して貰える日が来るわよ」

「そのうち?」

「そう。杏子が修平くんを本当に信用したらね」

 その発言に修平が苦笑する。

「まだ、信用されてない?」

「杏子の本当の想いを、聞いてあげられた人をまだ見たことが無いから」

 真剣な目をして自分を見つめる修平を感じながら、優奈は天井に視線を向けて独り言のように話し始める。

「相手のことがわかってしまうから先回りしちゃうの。ああ、こういうヤツねって。でも人ってそれだけじゃないでしょう? 色んな想いを抱えている。相手の気持ちがわからないから悩んだりするけど、いいところも悪いところも含めてその人なんだと思うの。
 でも杏子は凄く勘がいいから――それがネックになるよね。知らなくていいことまで見えちゃうのかも」

 更にそれを突っ込んじゃうから――そう言いながら優奈は笑った。

「確かに――そうかもな」



 思い当たる節ならいくらでもあった。

 確かに杏子の勘は良く当たる。

 野生動物かと突っ込みたくなるほどだ。

 まるで全てを見透かされているようなあの視線と物おじしない態度。

 人によってはそれを畏怖したり嫌悪したりもするだろうと思う。

 以前の自分がそうだったように。



「怖いのよ」

 優奈が突然呟いた。

「何が?」

「気を、許すのが」

 そう言って修平を見つめた。

「信じなければ信じては貰えない。それはわかっているのに、ある程度親密になると急に憶病になる。この人は大丈夫だろうか? 信用出来るだろうか? 裏切らないだろうか? そんな風に考えてしまうの。杏子の悪い癖」

 優奈から見た杏子――

 それを語る優奈は修平にとって意外だった。

 そして、そう言えば杏子の優奈への感情を知ることはあっても、優奈が杏子に向ける想いを聞いた事が無かったと今更気付いた。

 我の強ささえ感じる杏子に従う優奈はいつも穏やかで――

 だからこそ気に留めなかった。

 しかし考えてみれば、あそこまでイチイチ干渉されるのをよしとする人間は少ない。

 主体性の無い依存型の女ならそれも分かるが、優奈はそれとは違っていた。

 自分の意見をきちんと持つ芯の強さも、人を惹きつけて導ける行動力も持っている。

 それはここに来てからまとめ役を続けている姿からも実証済みだ。

 いつもは杏子が優奈を守るという図式が成立している。それは2人の態度から感じるものだ。


――相手を尊重して思いやる優しさのせいだろうか。


 か弱い優奈、強い杏子。

 それが今までの、そしてここにいるみんなの共通した認識な気がする。

 しかし、今日感じた優奈の印象は少し違っていた。

 まるで、優奈が杏子を守っているような――



「私のせいかな?」

「優奈の?」

 優奈は訝しんで問いかける修平に小さく笑うと、窓の外へ目を向ける。

 だが、優奈の瞳が少し揺れているのを修平は見逃さなかった。


 杏子と同じだ――直感的にそう思った。

 杏子に想いを告げたあの日、修平の感じた違和感、いつもと違う感情を優奈にも感じる。

 それでも、それを話す気はないらしい――そう感じた。

 いつか、それを聞ける日が来るだろうか。




「話す気があるなら話してるってことだよな」

 そう呟いた修平を優奈が見つめている。

「まだ話さないってことは、話したくないってことだ。俺は優奈ほどあいつを知らないけど、無理に聞き出そうとしても無駄だってことぐらいは分かる」

 そして物おじしないあの杏子が、話すことを躊躇うほどの過去に縛られていることも。

 知りたいという衝動を抑え、『杏子が本当に信用したらね』と言った優奈の言葉を胸にしまって、修平は待つことに決めた。

「本当は凄く優しいのよ」

 そう言って笑う優奈に、修平も小さく笑って応えた。

「知ってる」




 少し日が陰り、穏やかな風が流れている。

 修平にとって優奈は本気でほしいともがいた女性だった。

 今でもその綺麗な瞳に映る自分を見れば少し胸が騒ぐ。

 それでも以前のような苦しい感情ではなくなっていた。



 あの時の感情忘れられはしないと思う。

 でもそれは心の奥にしまい込んだ。

 そうしているうちに、いつの間にか想いが浄化されていた。


 杏子のおかげだよな――




 窓の外に視線を向ける優奈の横顔を見つめながら、修平は小さく笑った。











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Comment

こんばんは(*´∀`*)
とうとう100話ですか・・・!!
凄い情熱と努力の賜物ですね゚(゚´Д`゚)゚
お弁当ブログの方も遊びに行っていますが、コメントを書く方法をまだ知り得ておらず、読み逃げ&応援ポチ逃げになっちゃってすみません><;
FC2とは勝手が違うようですね・・・><

そして、誓約の地、杏子さんの闇に少しずつ近づいていっているような臨場感がたまらんです(〃▽〃)!
前にヒョヌさんにお話していた荒れてた頃の過去でしょうか、それとも・・・!!もっと彼女の中で縛られている何かが、杏子さんを未だに解放していないのか~~~><;

定期的な更新で、さらにお料理ブログの方まで、本当にマメで頻度が高くて憧れです///
けして無理はせず、YUKAさんのペースで執筆に励んでいってくださいませ☆
そして、100話もの執筆本当にお疲れ様です!!
これからも、YUKAさんの紡ぐ物語を楽しみにしております(≧∇≦)
なによしさん
なによしさん、おはようございます^^
コメントありがとうございます♪

そうなんです――!!
半年かかって、とうとう100になりました!^^
いえいえ、これもこうして応援して支えてくれた皆さんのおかげ~
なによしさんには何度も助けて頂いて
いつも応援して頂いて……っていうか、もうその存在だけで励まされているというか><。

レシピブログも覗いてくださってるんですね!
あちらのコメントはお気になさらず~~^^
見て頂いた上に応援まで><。。それだけで充分です^^
ツイッタ―で、見たよ~でもいいですよ^^
来てくださったのがわかるだけで嬉しいですから~^^

そうそう!
100話を迎えて、そろそろ話しも動きます(たぶん(笑))
いえいえ~~主役は優奈ですから~~^^
杏子の過去は「追憶編」で^^

いつも優しい声かけをありがとうございます^^
ご自身の捜索でも忙しいでしょうに、遊びに来てくださって本当に嬉しい^^
なによしさんも、あまり根を詰めないでくださいね♪

またGW過ぎから少し忙しくなりますが
これからも、マイペースに頑張りますね~~^^
  • 2012/04/13 08:16
  • YUKA
  • URL
  • Edit
こんにちは!!
おお、記念すべき100話、おめでとうございます!
すごいですね、半年で100話ですか・・・感無量ですね^^

YUKAさんの日頃の積み重ねが、確実にこうして結晶と課しているのですね(*´∇`*)
お料理ブログも毎日のお弁当の更新が積み重なって、書籍出版とか・・・普通に出来るレペルだと思いますよーファンの欲目なしに!

何だろう、本当にYUKAさんは眩しいです、大好きです(告白)
これからもますます素敵なYUKAワールドを築きあげて下さいねー!!
canariaさん
canariaさん、こんばんは^^
コメントありがとうございます♪

ありがとうございます^^
最初の2か月半ほどは毎日更新でしたからね^^;
あの頃はそれにかかりっきりで、思えば生活も荒んでいたという(笑)

書籍?!それはないですよ^^;;
まず、デジイチじゃなくてもコンデジぐらい買って写真を撮らなければ~~^^
でも、夢が広がっていいですね^^
そんな風に言って頂けるだけで幸せ♪

私はcanariaさんの才能が眩しいですよ~~(*´∇`*)
告白!しかと受け止めました――!!責任とって下さい!(ぇ?
  • 2012/04/13 22:41
  • YUKA
  • URL
  • Edit
YUKAさん、先日のコメ返、とてもうれしかったです。
ありがとうございます ^^

ここまで読み進みました。
100話。お~、すごいじゃないですか!

杏子ねぇさんの過去に何があったのか・・・
うーん、気になる。

優奈ちゃんが杏子さんを救ったことがあるのかあ。
だから杏子ねぇさんはあんなに優奈ちゃんのことを思いやってるわけですね。
優奈ちゃんがそういう「人を救う」優しさとか強さを持っているのってとても納得できます。
ああ、そんな子なんだろうなーと思えます。

それと、ブログを復活しました。
まだぜーんぜん更新してませんが ^^;
YUKAさんに遊びに来ていただけると、嬉しい西幻です。
それから、リンクはらせていただきますね♪♪
西幻響子さん
西幻響子さん、こんばんは^^
コメントありがとうございます♪

おお!100話到達~~^^ありがとうございます^^
もう、追いついちゃいますね(笑)

杏子姐さんの過去。
実は皆さんに大人気(?)で(笑)
まだ先の「追憶編」での公開の予定ですが
気になってくださる方が多い、謎の女杏子です(笑)

杏子は優奈に3回救われています。
優奈はそんな気はないかもしれません。
そんな優奈だからこそ、杏子は感謝し、そして縛られているのかもしれません。

そして優奈が杏子に救われたのも多い。
彼女たちは共存して生きてきたんです。
良い意味で。

杏子と優奈の強さはまた違いますね。
杏子の強さはわかりやすいかもしれません^^
優奈の強さ――
感じてくださいますか?^^
そうなんです。
外見や言葉、その強さの表し方は杏子の方が強烈なのですが
強さってなんだろう?
そんな事を考えながら、優奈を描いています。

人を救う――
おお!
優奈は持っているように感じてくださいますか?^^
嬉しいです。
杏子と優奈の感情は「北風と太陽」の童話のようなイメージの表現方法です^^
伝わるでしょうか?

そして、ブログ!!
お返事前に訪問しました♪
おめでとうございます!!^^
ついに復活ですね^^

もちろん私もリンクさせて頂きました^^
というか、リンクしてあったURLを直しました♪

ゆっくりマイペースでいいので、また小説更新を楽しみにしています^^


  • 2012/09/30 23:54
  • YUKA
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