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誓約の地/漂流編・37<告白(3)>


優奈への想いが、日に日に強くなっていくヒョヌ。

彼女の気持ちを掴めず、煮え切らない自分に耐えきれなくなっていく。


彼女への想いを伝えようとするヒョヌに、優奈が伝えた思いとは?





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 名前を呼ぶヒョヌの声に反応して優奈が顔をあげた。

 涙にぬれた瞳が揺れる木漏れ日の光で煌めいている。

 零れる涙で濡れていく頬に、ヒョヌが手を伸ばす。


 指先が触れた瞬間、弾かれたように優奈が話し始めた。

「最初は――」

 ヒョヌは目を瞬かせて息をのみ、無意識に手をひいた。

「……そばにいて話をすることができる、それだけで幸せだったの」

「…………」

「なんだか毎日嬉しくて。朝起きてオッパがいる! それだけで良かった」

「…………」

「でも段々辛くなってしまって……」

「…………」

「オッパって呼んでいいなんて、何で言ったんだろうって、ずっと考えてて。
 嬉しがってる自分が、何だか馬鹿みたいで、勝手に悩んで。
 もしかして、好意があるのかな? なんて。
 大したことじゃないんだって、そう自分に言いきかせるんだけど、変な期待とかしちゃったりして」

「優奈」

「わかってるんです。毎日勘違いしないようにって、自分に言い聞かせて寝るの。
 そうしたら次の日もきっと、ちょっとしたことが嬉しくなって幸、せでいられるから。
 ……そう言い聞かせていたのに」

「…………」

「いつの間にか、見ているだけでも苦しいぐらい……私……あの……」

「…………」

 目を見開いて呆然と立ちすくむヒョヌに気付いて、優奈は顔を真っ赤に染める。

 身を竦めるようにして俯いてしまった優奈の腕を引き、ヒョヌは彼女を抱え込むようにして抱きしめた。

「――――!」

「……ごめん」

「…………」

「もっと早く、自分の気持ちを話すべきだった」

「そ、そんな……私が勝手に」

「勘違いじゃない」

「……え?」

「……からかったわけでも、中途半端な気持ちでもない。意地悪をしたかったわけでもないんだ」

「…………」

「僕はずっと……優奈と親しくなっていく修平に嫉妬してた。いつの間にか、優奈の存在が僕の中でどんどん大きくなって。
 だから僕と優奈の距離も、ちょっと縮まったと感じたかった」

「…………」

「本当はずっと……君の特別になりたかった」

「――――!」

「優奈が僕を本当はどう思っているのか、わからなかったんだ。
 『カン・ヒョヌ』という俳優が好きなのか、一人の男としてなのか……
 優奈は僕を好きかも知れない、違うかも知れない。毎日気持ちが揺れて苦しかった。
 それでも優奈を好きになる自分が止められなくて。
 いつか迷惑をかけるかもしれない――そう自分に言いきかせても抑えられなかった」

「――え?」

 ヒョヌの腕の中で優奈が大きく息をのむ。

 そんな優奈の気配を感じて、ヒョヌは抱きしめる腕にそっと力を込めた。

 彼女を包み込むように抱きながら、囁くように言葉を紡いでいく。

「…………」

「僕には向こうで付き合ってる人がいた。この間優奈にそれを指摘された時、息が詰まるほど苦しかった。
 もうこんなに君を好きになってるのに、誠実に向き合いたいと思ってるのに。
 迷惑をかけることにならないか、僕の気持をどう伝えたら受け入れてもらえるか、
 清算できない恋を抱えていながら愛していると言っても、信じてもらえないんじゃないか。――いや」

「…………」

「不誠実な男だと軽蔑されるんじゃないか……それがずっと怖かった」

「…………」

「この島での一時の感情じゃなく、君を真剣に愛していると信じてもらえるだろうか?
 この島から救助されて戻れた時は、必ず過去を清算すると約束する。
 この先どんなことがあっても、優奈を絶対離さないと誓うから。
 これからどんなことが待っているとしても、君を守ると約束するから。
 だから――僕の気持ちを信じて貰えないだろうか? 
 ファンとしてじゃなくて、僕を一人の男として受け入れてくれないか?」

「オッパ?」


「優奈。君を、愛してるんだ」


 ヒョヌは抱きしめていた優奈の両腕を掴んで、そっと自分から引き離した。

 優奈はヒョヌの腰に手をまわしたまま、彼を見上げている。

「僕を信じて、受け入れてくれないか?」

「……はい」



 動揺と緊張で、頬を上気させながら自分を見上げる優奈に、ヒョヌは微笑んだ。

 涙で濡れた彼女の頬を両手で包み込み、瞳から零れ落ちそうな涙をそっと口に含む。

 そして視線を落とし、唇を重ねていく。



 
 草木が風にそよぎ、木漏れ日の作りだす陰影が揺れる。

 微かに聞こえる鳥のさえずりと小さな滝の水音が響く泉のほとり。



 すれ違っていた2人の想いが、今、はじめて重なった。





















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Comment

こんにちは、チョコです^^

今日は5話、23話まで読みました〜><
もうこの23話で完結でも良いと言うくらい
私に取って大大大大満足な1話でした!!
早く告白しちゃえば良いのに〜〜><ってずっと思ってたんですよ。
その夢が叶ったのでもの凄く気分が良いと言うか
本当に嬉しいです!

でも

まだまだ続く「誓約の地」
きっとこれからこの2人に更なる試練が訪れるんですよね??
苦しい試練を与えちゃうんですよね???

私が思うに、この告白は始まりだと思ってます。
この2人が苦しむなんて見たく無いのだけど、
ハッピーエンドを信じて物語の最後までお付き合いします^^

あとブログ応援クリックいつもありがとうございます^^
先日頂いたコメントのピンク色は
純粋な「ピンク」です^^
チョコさん、こんばんは^^

早く告白しちゃえば。。。私が思ってました(笑)
すみません。ウチのヒョヌがヘタレで(爆)

喜んで頂けて、私も嬉しいです*^^*


更なる試練が訪れちゃいます^^与えちゃいます(笑)
大丈夫です^^
信じてください!……杏子姐さんを!!!^^b


純粋なピンク!!そうかぁ^^
ローズレッドと迷ってます^^
チョコさんのイメージだと、どっちですかね~
参考までに教えて頂けると嬉しいです
^^
いつか出てきますから、「あ!」って思ってください^^
  • 2011/10/19 00:41
  • YUKA
  • URL
お。ポールさんを追い越したかな?(笑)

ページやシーンによって文字の大きさが違うのは何故でしょう?(笑)ちなみにこのページはすごく小さいので、ブラウザの画面を拡大して読んでいます。

ブログで長編小説というのを久々に読んでいるのですが、いいですね~。毎日こうして読んでいるとキャラに感情移入しやすいですし、物語もサスペンス色が強くなって読みごたえがあります。

もちろん、優奈さんくらい文章力がないと、逆に読むのがつらくなってきますが ^^;
追記。
うーん、ようやっと告りましたね、二人とも!
うん、めでたい、めでたい。
西幻も嬉しいです。
それに、ヒョヌさんのキャラクターがとてもくっきりしてきました。
なかなか好男子!かっこいい!
西幻響子さん、こんばんは^^
西幻響子さん、こんばんは^^
ヒョヌ、くっきりしてきましたか?^^
あまりにもグダグダ悩んでヘタレなので、本当に辛かったんです。
――――私が(笑)
でも、よく見ると優奈から?^^;
好男子に見えますか?^^
修平との差を出すために(もう一つ理由があるんですが^^;)
自分呼びを『僕』にしたので、砕けた口調にしづらくて。。。
これから、もっとカッコいいヒョヌを描いてやらないと^^;;;
  • 2011/10/26 20:14
  • YUKA
  • URL
西幻響子さん、こんばんは^^
西幻響子さん、こんばんは^^
あれ?大きさ違いますか?^^;
もしかして、トップの注意書きかな?
注意書きは削除しました。もう良いかなとずっと思っていたので。
文字、修正かかってますかね?^^;
意図してやったのは対決のヒョヌの叫びだけなんですが
まだあったら、教えてください^^
テンプレート変えてから、ちょっとおかしいのです。。。

優奈さんとは、私が褒められているんですかね?*^^*
そう受け取って一人で嬉しがっちゃいました(笑)
た、大変です!
中~長編予定が、完全な長編になると、この間カウントしていて気付きました^^;
エピソード、増やしちゃったせいですが^^;
ゆるりとで良いので、お付合い頂けると嬉しいです。
  • 2011/10/26 20:22
  • YUKA
  • URL
あっ!ごめんなさい!

間違えました、「優奈」さんじゃなくて「YUKA」さんでした・・・すみません。

文字、ちゃんと修正されてますよ~。
たしかに、テンプレによっては変な表示になってしまうことってありますよね。

いや、長編のほうが、というか長ければ長いほど嬉しいです。もう優奈ちゃんとかヒョヌとかほかのキャラにも愛着できちゃいましたから。お別れしたくありません。
西幻響子さん、こんばんは^^
西幻響子さん、こんばんは^^
読んでくださってありがとうございます^^
いえいえ*^^*大丈夫です^^
文字修正……良かったです^^;
色々弄っているので、自分が悪いのですが(苦笑)

う~~~優しいお言葉♪
優奈のヒョヌも喜びます^^――一番は私が(笑)
優奈の私もよろよろしてますが、これからもよろしくお願いします^^
  • 2011/10/27 20:23
  • YUKA
  • URL
YUKAさん、こんばんは♪
ようやくここまで読めました~。

やっとや~っと優奈ちゃんとヒョヌくん、
想いが通じましたね♪
自分のことのように嬉しい!!
でも、これから待ち受けているであろう試練。
二人は大丈夫なのでしょうか~(;´д`)

拍手コメント、ありがとうございました。
そうなんです、ミラーサイト出現した時期がありまして……
あの時は大変でした(ノ_・,)
もしよろしければ、リンクさせて頂けませんか?
滝元 真那 さん
滝元 真那さん、こんばんは^^
わぁ、読んでくださったんですね^^ありがとうございます。
そうです。ウチのヒョヌがヘタレで(笑)
やっとこですよね~~^^

ミラーサイト……なんだかね^^;;大変でしたね。
リンク依頼ありがとうございます。どうぞ、どうぞ^^
これからもよろしくお願いします^^
  • 2011/11/02 17:26
  • YUKA
  • URL
想いが伝わるのは良いのですけどね。
ここから先どうなるのかがポイントですね。
愛と恋は違いますからね。
愛は一緒にいることで育まれる絆であり、
恋は胸のときめきですからね。
ここから先が私にとっては興味深いです。
  • 2013/06/26 19:51
  • LandM
  • URL
LandM さん
LandM さん、こんばんは~^^

コメントありがとうございます!^^
そうですね。
2人の気持ち的には前からですが、恋としてはやっとスタートラインです。
実はこの先。。。まだまだいろいろとね~~

>愛派一緒にいることではぐくまれる絆

まさにそうですね。
だんだんと2人が2人でいられるようになる
いることが当たり前になるという風に育てていってほしいのですが
簡単にはいきませんので(笑)

また読んで頂けたら嬉しいです^^
  • 2013/06/27 17:00
  • YUKA
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