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誓約の地/漂流編・78<特別(1)>





ここからは、ブログでも掲載していなかった新しいお話になります。


MLNの掲載は、月・木の0時掲載予定。

「優芽の樹」は少し遅れて、火・金の0時掲載になります。

R指定記事がある場合はお知らせします。

(指定記事はMLNのみ掲載)

記事は全て予約投稿ですが

出来ない時はお知らせしますので、よかったらお付合いください。

では、追記からどうぞ♪






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 全員が比較的元気に過ごしていた。

 島の気候はあまりに季節感がないため、気を付けていないと月日の流れを忘れてしまう。

 そこで優奈は、余裕が出てき始めた頃から情報を出来る限りかき集め、最近では日付をカウントすることにしている。


 遭難時、全員が気が付くと島に漂流していた。

 そのため正確な日付かどうか確かめる術がないが、経過した日数はカウントしていたので間違いはない。

 それによると、この島へ来て早いもので9カ月が経とうとしていた。



 教会に移動して生活が落ち着いたころから、希望者に語学を教えることもずっと続けていた。

 英語習得希望者が多かったので、マークとキャシーを交えてグループレッスンを行っている。

 語学習得――最も熱心だったのは杏子だった。

 優奈のことでヒョヌと直接話したい、というのがその理由だった。


 しかしヒョヌは杏子の学習以前から優奈に日本語を教わっていたため、以前のように通訳は要らない。

 それでも今後役に立つかもしれないからといって、ソンホに頼んで韓国語の勉強を続けている。

 日本語の文法と近い韓国語は日本人にも憶えやすい。

 ソンホが教えるのも上手く彼女の理解も速かった。

 最近では上達のため、杏子は1日ほぼ韓国語で通している。

 そのうち、リョウコとエリも韓国語を勉強し始めた。

 こちらのきっかけも実はヒョヌである。

 彼の低く甘い声は耳触りがよく、浜辺で優奈に歌っていた歌を聴いて聴き惚れたと言っていた。

 ところどころ意味のわかるところがあり興味が湧いたらしい。

 優奈とヒョヌの会話で響きの可愛い単語に興味を持ち、そこから入った。

 優奈とソンホは資料の翻訳と語学スクールのための教本を、相談しながら手作りしている。

 それぞれが取得したい言葉のリストを書きながら、目標と担当を考えていた。




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 ヒョヌ→日本語、その後英語

 杏子→韓国語

 エリ・リョウコ→英語、その後韓国語

 カズヤ・コウジ・ツヨシ・ジャン・ミラ→英語

 ケイタ・佐伯→イタリア語 


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「やっぱり語学力に差が出てきたから、それでグループ分けした方がいいですよね」

「そうですね。――あ、僕もそろそろ、優奈さんのイタリア語教室に入りたいです」

「あ、ホントですか? もちろんいいですよ! 私も韓国語教わってるし」

「でもそうすると、優奈さんの負担がさらに重くなるかなぁ」

「大丈夫ですよ。英語は得意な人に手伝って貰いますから。目標はどの辺ですか?」

「ん――、じゃあ、イタリア語も仕事で通訳できるくらいまで!」

「……ハイレベルですね。頑張ります」

 頑張るのは僕ですよ? と言って笑うソンホに釣られて、そうでしたと優奈も笑った。



 そんなことを話しながら教材を作っている医務室のドアを、コツコツとノックする音がする。

 優奈が振り返ると、ヒョヌが顔を出した。

「精が出るね」

「オッパ、どうしたの?」

「頑張っている先生方に、冷やした飲み物をもってきたんだ」

「ありがとう」

「どうも」

 水を飲む優奈の手元を覗き込んで、ヒョヌが問いかける。

「教材?」

「そう。簡単だけど、何も無いよりいいかな? って思うから」

「へぇ、大変そうだな」

「優しいですよね」といってソンホが笑顔で優奈を見ると、優奈は顔の前で手をフリながら否定した。

「違うの。自分のためでもあるのよ。ソンホさんに色々聞いたりして」

「そうか。あんまり頑張りすぎるなよ? 身体を壊さない程度にね」

「大丈夫!」

「先生方も頑張ってるから、僕も頑張らなきゃな」

「オッパは頑張ってるよ」

「そう?」

 2人の会話を聞きながらメモを書いていたソンホが、それを書き上げて顔をあげた。

「ホントですよ。もう日本語は問題ないじゃないですか? 最近は英語も始めたんでしょう?」

「はい。日本語もまだまだですけどね。――先生が優秀なんで」

「美人で優秀な、優しい個人教授が付いてますもんね?」

 そんなソンホの言葉に、ヒョヌはちょっと顔をしかめて呟いた。

「美人で優秀ですけど、厳しいですよ」

 ちょっと恨めしげな視線を向けられた優奈は、慌てて訂正する。

「え? そんな事ないよ!」

「…………」

「あれ? そ、そう?」

 そんな彼女を見て、ヒョヌとソンホが笑いだした。

「目指すところが高いんですよね?」

「どうせなら演技に生かせるくらい上達したい、かな」

「それはいいですね!」

 2人の会話を聞きて、優奈が勢いよく話しかける。

「そっか。じゃあ、語彙《ごい》とイントネーションの強化が必要ね!」

「優奈さんが張りきってますね」

 ソンホが笑って話しかけると、優奈は照れながら説明した。

「日本でもアメリカでも、ドラマとか映画とか出てほしいんですよね」

「お! ファン目線ですね? ヒョヌさん、ファンのためにも頑張らなきゃですね」

「はは。よろしくお願いします、先生」

 



 3人が談笑していると、カズヤが医務室まで優奈を訪ねてきた。

「優奈さん、すみません。ちょっと相談があるんですけど……」

「相談?」

 頭を掻きながら言い淀《よど》むカズヤを見て3人は顔を見合わせた。

「じゃあ、僕は杏子さんと韓国語授業の約束をしているので行きますよ」

 ソンホが気を効かせて立ち上がった。

 それに合わせてヒョヌも出ていこうとして腰を浮かすと、カズヤが慌ててそれを止める。

「あ! 出来ればヒョヌさんは居てほしいって言うか……」

「そうなの?」

「はい。まぁ、まとめ役は優奈さんだし優奈さんに相談がいいと思ったんですけど、優奈さんに言うのもどうなんだと思って。ちょっと言いづらいって言うか……だからヒョヌさんにも聞いて貰おうかと――」

「なんだよ」

 歯切れの悪いカズヤの話にヒョヌが苦笑する。

 とりあえず椅子に腰かけるように促すと、ソンホが「じゃあ」と声をかけて出て行った。

 優奈はあらためてカズヤに問いかける。

「カズヤくん、何かあった?」

「あ――、実は……」

 カズヤの話し始めた内容に、優奈とヒョヌは顔を見合わせた。

 













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Comment

YUKAさんボンジュール♪

カルチャースクールみたいに
色々な語学が勉強できて楽しそう♪
島のみんなと一緒なら上達できそうです*^^*

フランス語も授業で習ったけど
忘れるのも早かったです(笑;)ガクッ
  • 2012/01/24 09:05
  • 奏響
  • URL
奏響さん
奏響さん、こんばんは^^
コメントありがとうございます♪

語学勉強って楽しいんですけどね~~
実際に話せるようになるのは、なかなか大変ですね^^

フランス語は、第二言語でやったりしますよね~
でもフランス語って、日本人には難しい言語だと思うんですよ^^
使わなければ忘れるのは必然です!(*´∇`*)

私はイタリア語――習ったことさえ忘れそうです(笑)
  • 2012/01/24 22:35
  • YUKA
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管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
  • 2012/01/25 20:43
鍵コメさん
鍵コメさん、こんばんは^^

えぇ~~?そうなんですね^^;
何かあったのかな?大丈夫ですか?

そちらにお邪魔しますね^^
  • 2012/01/25 22:32
  • YUKA
  • URL
  • Edit
こんにちは〜〜+゜。*゜+

わーーーい!!
やっと本編を読む事が出来る!!
まとめ読みしようかな〜〜と思ったけど
我慢出来なかったのでアップされてる分は読んじゃいます+゜。*゜+

カズヤの話し始めた内容.....
ななななな...何なんだろう.......
嫌な事じゃありません様に!!

チョコさん
チョコさん、こんばんは^^
コメントありがとうございます♪

読んでくれてありがとう~~(*´∇`*)
大丈夫!!
2月から、一日おきにUPするからね^^
カズヤの話……( =①ω①=)フフフ

  • 2012/01/31 21:35
  • YUKA
  • URL
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