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誓約の地/漂流編・46<決意(5)>


杏子とヒョヌの対談の翌日。
久々に浮かれている優奈とヒョヌ、杏子の日常会話




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 優奈は、ふと目を覚ました――


 日の出とともに起き出すことが習慣となってはいるが、まだ夜明けには時間がある。

 隣で杏子が静かに眠っていた。

 昨日は杏子の質問にも答えず、何だかとても疲れて、いつの間にか寝てしまった。


 杏子を起こさないようにして辺りを見渡すと、すでに起きていたヒョヌと目があった。

「おはよう」

「……おはよう」

「よく眠れた?」

「うん。あの、昨日……」

「来たよ」

「…………」

「話、したよ」

「どんな?」

「ん――。詳しい状況はほとんど話してないけど。キスしたことは言った」

「それだけ?」

「あとは、まぁ、優奈をどう思ってるかとか――どっちかというと僕のこと」

「…………」

「あ。いつから好きだったか聞かれた」

「何て言ったの?」

「ん? この島に漂着して、優奈に助けられて、初めて優奈を見た時」

「…………」

「ホントだよ」

 ヒョヌはそう言って優奈に笑いかけた。

「……杏子はなんて言ってた?」

「遭難して、初めてよかったって思ったって。あと、話してくれてありがとうって言ってた」

「……それだけ?」

「そう」

「…………」

「不満?」

 優奈は大きく首を振った。そして、ヒョヌに抱きついた。

「どうした?」

「ううん」

 ヒョヌは優奈の腕をとり、そっと抱き寄せて彼女の髪に顔を埋めた。

「杏子さんは、いい友達だな」

「うん」

 泣きそうになるほど嬉しかった。

 大好きな彼が、大好きな杏子を褒めてくれたことが、ホントに嬉しくて、そして誇らしかった。









     ***










 日の出後、全員で1日分の作業として決めた、焚火用の薪集めと飲料水用の水汲みなどをこなす。

 簡単な昼食後に全員がそれぞれ自由に時間を過ごす中、キャンプ地から少し離れた浜辺で優奈と杏子は腰をおろしていた。

「……もういいの?」

 優奈は半信半疑だった。

 杏子が優奈の話を(特に異性に関しては)とにかくあれこれ聞いてくることを知っていたので、ヒョヌと話してもやはり聞かれるだろうと構えていたのだ。

 ガールズト―クと称して根掘り葉掘り聞き出して父親以上に心配する杏子が、今回は良かったわねと笑顔で受け入れてくれたので拍子抜けする。

「あれこれ聞かれるのが、恥ずかしいから嫌だったんでしょ? それとも惚気たいから聞いてほしいってこと?」

 杏子の問いに大きく首を振る。

「聞きたいことは彼に聞いたし、必要なことは答えてくれたから、もう別にいいのよ」

 そう言って笑った。

 いつもの杏子らしくないが、きっとヒョヌが話してくれたからだろうと納得する。

 ヒョヌは『全部は話してない』と言っていたのに、それで杏子を納得させるなんて凄いな、と優奈が改めて感心していると、そんな様子を見ていた杏子が、微笑みながら声をかけてきた。

「幸せそうね」

 そう言って微笑む杏子の方が何だか幸せそうだと思いながら、優奈は素直に頷いた。
















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