QLOOKアクセス解析

誓約の地/漂流編・25<秘恋(5)>



胸に去来する様々な想いに翻弄されて、


踏み出せない男(ヒョヌ)と臆病になる女(優奈)のすれ違う想い。







================================================



「こんな朝から集めてたの?」

 昨日、貝やサンゴを集めていた浜辺で、優奈を見つけ話しかけた。

 心のどこかで優奈が来るかも――そう思って先に来たつもりだった。

 朝焼けの中、振り返った優奈の笑顔はキラキラ輝いていて、昨日までの沈んだ心が高揚する。

「昼間だと暑いから」

「なるほど。いいものはあった?」

「見て!」

「おっ。綺麗だ」

「でしょう!」

 そう言って笑う優奈は嬉しそうだった。

 榛色の大きな瞳が真っ直ぐヒョヌを見つめている。

 それがなぜか切なくて泣きたくなった。


「それ、役に立って良かった」

「はい。可愛いし。ありがとうございます」

「喜んでもらえてイイ気分だ」

「ヒョヌさんは、こんな朝からどうしたんですか?」

「散歩。昼間だと暑いから」

「なるほど」

 示し合せたようなやり取りに、2人は顔を見合せて笑った。

 集めた貝殻やサンゴを嬉しそうに眺める優奈を見ながら、ヒョヌはふと思いついて声を掛ける。

「海で探したりしないの?」

「ん――」

「…………?」

「嫌いじゃないんですけど……海って波があるから足元の砂が動くでしょ? 実はあれが苦手で。海藻が脚につくのも気持ち悪くて……何かいそうで、怖いんです」

 珍しく顔をしかめるようにして呟く優奈を見て、ヒョヌは目を見張って驚きながら苦笑した。

 昨日から、知らなかった優奈を知る度に嬉しくなる。

「そうなの? 意外だな。苦手なもの有るんだ」

 女の子だな――あらためてそう思う。

 海は好きだと言っていたのに、そういえば海に入る優奈は見たことが無い。

 彼女の親友も、あえて海水浴に誘わなかったなと思い返した。

 そんな理由があったなんて知らなかった。

 自己紹介で、そんな話が出ていただろうか――?



 可愛らしい理由だと微笑みながら考えを巡らせていると、真剣な表情の優奈に声を掛けられた。

「…………ヒョヌさん!」

「ん?」

「私の事、どう思ってます?」

「――え?」

 いきなり問いかけられた内容に動揺して、ヒョヌは息をのんだまま硬直した。

 そんなヒョヌを横目で軽く睨みながら、頬を膨らませて拗ねた優奈は一気に告げる。

「この間から思ってましたけど、私のこと凄く誤解してるのが伝わってきます! 私って、そんなに女らしくないイメージですか?」

「は?」

「もう! そんな女傑じゃないですよ?怖いものも、苦手なものもあります!」

「…………そっか……ごめん……」

 慌てて謝るヒョヌを見て、優奈はくすくす笑い始めた。



『私の事、どう思ってます?』



 ヒョヌは、自分の気持ち確認されたのかと一瞬息ができないほど驚いた。

 あまりにも動揺した自分が酷く情けない。

 それがちょっと悔しくて、海に入ろうと誘ってみる。

「……この辺りは、かなり波が緩やかだから」

「え――っ」

「入ってごらん、絶対大丈夫だから」

「ホントに?」

「ホントに」

 ヒョヌは優奈の手を引いて優奈を海に連れていく。

「ちょ、ちょっと待っ――!」

「ほら、大丈夫でしょ?」

「ん――」

 優奈は恐る恐る進んでいく。

 ヒョヌの手をぎゅっと握り、不安そうに揺れる瞳が日の光を反射してキラキラ光っていた。

 そんな優奈が可愛くて、ヒョヌは更にゆっくり沖へと進む。



 ショートパンツが海水に触れるぐらいまで進んできた頃、優奈の脚に何かが当たった。

「――――!」

「何?」

「な、何か触った!」















関連記事

Comment

男性が女性を異性を感じるのはまあ、
それこそそういう時ですけどね。
女性をどう思うかは結構難しいもんですよ。
そういう魅力を感じなければ、悲しいものですからね。

YUKA様の小説を見て、恋愛トンネルサバイバルを書く!!って思ったら、いつの間にか本格救助サバイバルになってしまった。。。う~~む、私も未熟ですね。ちなみに小説ないの額の出血の対応も私が対応したものと全く同じです。正しいかどうか知らん。未だに後輩の女子が泣きじゃくって、私は手も足も血まみれになりながら、止血した感覚は忘れてないですね。ちなみにその人は一週間で退院したので良かったです。これでも救命講習認定証はもっていて、ある程度の怪我の処置はできるんですよ。

今度はもっとYUKA様を見習わないとですね。
  • 2013/05/15 18:31
  • LandM
  • URL
LandM さん
LandM さん、おはようございます^^
コメントありがとうございます!!


そうですね。極限状態って感情が動きやすいですが、同時に本当の感情かな?とも思いますが。
男女が男女を意識できるのは、極限状況から少し落ち着いて、まだ渦中なんですが、ちょっとホッとした時というか。

おお!毎回読ませて頂いてますよ!本格救助サバイバル^^
未熟ではないですよ――!ハラハラしながら楽しく読ませて頂いてます。
でも初めから恋人同士でない限り、いきなり恋愛は無理だと思うのですよね。本来。
優奈ははじめからヒョヌを知ってましたし、ヒョヌは遭難中とはいえ救助された直後でその遭難に大変さを感じていませんでしたし。しかもその後、グダグダグダグダ……(笑)

救命講習も受けてらっしゃるのですね!しかも本当に救助経験が!
私も救助講習は受けたことがありますが、救助経験はありません。凄い経験をされましたね。でもその方がすぐに退院できてよかったですね!^^

そんなリアルな経験が生かされているお話ですね!
この先も読ませて頂きますので、執筆頑張ってください!!^^

  • 2013/05/17 07:50
  • YUKA
  • URL
  • Edit
Comment Form
公開設定


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。