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誓約の地/漂流編・70<恋風(3)>


水着選びに悩む優奈を迎えに来たヒョヌ。

再び迎えた優奈とヒョヌの甘い時間のはずが……






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「まだ、悩んでるの?」

 腕を組んだまま、ヒョヌは杏子と優奈の部屋のドアにもたれ掛かった。

「あ、オッパ」

「優奈が最後だよ」

「あ、本当? どうしようかな」

 ベッドに腰掛け呟く優奈の傍に近寄ると、候補として残してあるいくつかの水着を覗きこんだ。

「――どれがいいと思う?」

 腰をかがめて手元の水着を覗きこんだヒョヌを、優奈は見上げた。

 手元にある3点の水着は、全部ビキニ。

 ヒョヌは、自分のために選んで着たと言って、恥ずかしそうに微笑んだ優奈を思い出した。


「ん――、どれも似合いそうだけど。ちなみに杏子ちゃんのお勧めは?」

 その問いに優奈は何故か苦笑して、脇に除けていた中から一つを取り上げた。

「これ……」

 それはかなり際どい白の三角ビキニ。


――これは、却下するな。


 嫌がるのをわかっていて完全に楽しんでたのだろうと、杏子の思惑に苦笑する。

「オッパが喜ぶって言うの」

「僕が?」

「そう」

 どう思う? と聞く優奈は困った顔をして笑っている。

「それがいい――って言ったら、着てくれるの?」

「え? ――うん」

 優奈は一瞬ぎょっとした後、困った顔をしながらもこういうのがいいの? と悩んでいる。

 そんな彼女の困った顔が思いのほか可愛くて、ヒョヌは口に手の甲を当てて小さく笑った。


――これは、楽しいかも。


 変なところで杏子に共感したヒョヌだが、さすがにこれを着て浜辺へ行こうとは間違っても言えない。


――そんなことをしたら、また面倒なことになるじゃないか。


 声には出さずに愚痴りながら、優奈が選んだ中でも一番大人し目の可愛らしい水着を取り上げた。

「これ、かな」

 あからさまにホッとする優奈に内心苦笑しながら、試着は? と問いかける。

「え?」

「着てみてよ」

「あ、うん。――ってオッパ?」

 いつの間にか優奈の隣に腰かけて、彼女のコメカミにキスを落としたヒョヌは、そのまま優奈をゆっくりと押し倒した。

「え? ……っちょっと、オッパ!」

「ん?」

「何、してるの」

 ベッドに押し倒され、着ているTシャツをすり上げながら首筋に顔を埋めるヒョヌに、優奈は慌てて声を掛ける。

「着替え、手伝ってる」

「え?き、着替え?」

「着る前に脱がなきゃでしょ?」


――それはそうだけど、これはちょっと趣旨が違うんじゃないかな?


 ヒョヌの思惑に、優奈の心臓が跳ね上がる。

 慌てる優奈をあえて無視して抱きくるめたまま、ヒョヌは何度も啄ばむようなキスをした。

 何度目かのキスの後、ふと絡んだ視線のまま2人で同時に小さく笑う。

「やっぱりベッドっていいな」

 そう呟いたヒョヌに、やっぱり趣旨が変わってると内心呆れながら、繰り返される甘い口付けに蕩けそうになり、優奈は抵抗を諦める。

 ヒョヌの柔らかい髪の中に指を差し入れて、身体にかかる心地よい重みを全身で受け止めた。


 再び首筋に落とされたヒョヌの柔らかい唇のくすぐったさに、優奈がくすくすと笑っていると、不意にドアをノックする音が聞こえる。

「――――!」

「――――!」

 慌てて起き上がろうとしたヒョヌの髪に、優奈が付けていたネックレスが絡まった。

「痛てっ?」

「あ、ちょっと待って!」

 絡まった髪を解こうと焦っていると――

「優奈さん、用意できまし……っ!」

 ドアを開けたリョウコと2人の目があった。

「あ、リョウコちゃん!」

 一瞬呆気に取られていたリョウコが、顔を真っ赤にして硬直する。

「す、すみませんっ!」

「え? あ、違うの! 違うの!」

「さ、先に行きますっ!」

「あ、待って!リョウコちゃん?」

 ビックリするぐらい大きな音を立ててドアが閉まり、バタバタと駆けていく足音が聞こえる。

「…………」


――み、見られた?


 呆然とリョウコを見送った優奈は、ぎこちなく視線を動かして無意識に自分の様子を観察する。

 ベッドに横たわる自分の上に覆いかぶさるヒョヌ。

 絡みあった脚と、すり上げられて乱れたTシャツ。

 絡んだ髪は解けたが、ベッドで横になる2人を見て何を想像されたかは明白だった。

「ご、誤解されたよね?」

 リョウコに負けないぐらい顔を赤くした優奈がヒョヌに問いかける。

「いや、誤解じゃないと思うけど」

「ちょっと、話してくる!」

「もう、いないよ?」

「浜辺に行けばいると思うから」

「今更じゃない? どうせ行くんだし、あとで説明すれば――」

 だから続けても問題ないと、再び体重をのせるヒョヌの胸を優奈が何度も叩く。

「そういう問題じゃないの!」

 女の子には女の子の付き合いが有るんだと力説する優奈は、潤んだ瞳で頬を膨らませた。


――そんなに本気で嫌がるなよ。


 心の中でそう愚痴ると、苦笑しながら起き上がる。

 ヒョヌの重みから解放された優奈は、先に行くねと言い残して物凄い勢いで走っていく。

「あ、優奈!水着は――?」

 声を掛けた時には既に足音は遠ざかり、部屋の中は驚くほど静かになった。

 甘い時間から一転して独り取り残されたヒョヌは、ベッドに腰を掛けたままため息をつき、クシャッと髪を掻きまわす。


「今度はリョウコちゃんか……」


 邪魔が入るのは運命かなと呟いて、天を見上げながらもう一度ため息をついた。















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Comment

こんばんは!
なによしでっす!
きゃあ、またしても二人の親密な時間が・・・・と思ったたら、思わぬ邪魔が入ってしまいましたね!リョウコさんは、わざとじゃない感が半端ないため、咎められないとは思うのですが。ヒョヌさんがちょっぴりご機嫌ななめかな?でも、これは二人の中が公然となるいいチャンスではあるまいか!とも取れるし!でもやっぱり、コウジさんが・・・最近毎日のようにコウジサンコウジさん言ってます(笑)。あの人、だって夢見る少年のようだと伺っておりますから、余計に・・・・!大人だったらまだ、二人の事を祝福できるかもですが!少年心はどうかな~!?と、ヒヤヒヤしています!
今回も楽しく読ませてもらいました!!
次回も楽しみにしています!
さあ、今後二人の関係がどう動くのか!?
応援しています♪
なによしさん
なによしさん、こんばんは^^
コメントありがとうございます^^
またね~~邪魔がね~~(笑)
もう、この展開はお約束のようになってきました(笑)
私がヒョヌに怒られるww
コウジはこれから大活躍(笑)
実はコウジが気になって……恋?!^^
その前に、ヒョヌと修平がね~~^^
いつもありがとうございます。頑張ります!^^b
  • 2011/11/07 02:19
  • YUKA
  • URL
いや~ん///
この二人、こういう雰囲気の時に限って
邪魔が入ったり見られちゃったり・・・。
無人島での共同生活って大変~(笑)
あ、コレ読んでる私も覗いてるのか。

いつも楽しく読ませてもらってます♪
  • 2011/11/07 02:42
  • memeko
  • URL
  • Edit
でも、邪魔が入るほうがかえって燃え上がったりして…(笑)

ほら、よくいいますよね。
障害のある恋愛のほうが盛り上がるって ^^
memekoさん
memekoさん、こんばんは^^
コメントありがとうございます♪話しかけられるのが嬉しい*^^*
そうそう^^いつも誰かに邪魔される~~(笑)
ホント、無人島の共同生活って大変~
――って、これ書いているの私でした^^
ありがとうございます^^お時間があったら、またコメント寄せてくださいね^^
  • 2011/11/07 17:49
  • YUKA
  • URL
西幻響子 さん
西幻響子 さん、こんばんは^^
コメントありがとうございます♪
言います、言います(笑)
ヒョヌ、調子に乗んなよ~~~
と思って邪魔を入れているのは私ですけど(爆)
  • 2011/11/07 18:10
  • YUKA
  • URL
こんばんは。

優奈ちゃんとヒョヌくんの甘くてとろける時間……
キャッ★
と思ったら、思わぬ邪魔……じゃなかった、訪問者が。
優奈ちゃんの慌てっぷりがなんともカワユイ。
それを見て複雑な心境のヒョヌくんもッ。

そうそう♪
ブログ村・恋愛小説ランキング1位ですね!
おめでとうございます~!!!
これからも応援していきますッ
滝元 真那 さん
滝元 真那さん、こんばんは^^
コメントありがとうございます^^
そうそう~~こういう甘い時間は書いていても楽しいですね^^
ヒョヌをいじめるのも、ちょっと楽しい(笑)
思わぬ訪問者(笑)私も結構しつこいですね^^
ありがとうございます^^ちょっとビックリしてます。
一時的なものだと思うんですけどね~(苦笑)
滝元 真那さんのような、素敵な小説を書かれる方に言われると恐縮しますが
これからも、頑張ります*^^*
  • 2011/11/07 22:43
  • YUKA
  • URL
まったくもう間が悪いときに間が悪い人が(^^;)

やですよほれたはれたのごたごたをめぐって血の雨が降るなんて展開は(←それは恋愛小説とは違うだろ……(^^;))
ポール・ブリッツ さん
ポール・ブリッツさん、こんばんは^^
コメントありがとうございます^^
あははは。
ね~~~もう、お約束(笑)
ヒョヌの寸止め劇場~~~(爆)
血の雨が降るなんて展開――それは確かに、恋愛小説絵は無い。。。
あ、いや……愛憎劇も恋愛か^^;;
  • 2011/11/13 18:35
  • YUKA
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