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【花魁杏絵巻】 裏話&用語集



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ここは【花魁杏絵巻】の裏話という名の資料集です。


時代背景や単語が難しい時代もの。

時代によって花魁との遊び方も変わる様ですが、
一応私が設定した時代での大まかな風習を書き留めます。

今回は追記で用語集です。
あくまでも小説を読む上での御参考までに。
(――と、私の忘備録を兼ねて(笑))

まずは、有名な童謡の昔話のネタを一つ。



指きりげんまん(指切拳万)

ゆびきりげんまん うそついたら はりせんぼんのます

指切 拳万 嘘吐いたら 針千本 飲ます



約束をする時に小指を絡めてする時の唄ですが、これも遊女繋がり。
指切は遊女が客に対する愛情の証として、
小指の第一関節から指を切って渡したことに由来しているそうです。

……( ̄ロ ̄lll) 

これにはかなりの激痛が伴うため、それほど愛してるということを意味し、
貰う客も遊女の思いに応えるくらいの気構えが必要だったそう。

((@◇@;) ・・・そりゃあ、そうだ)

しかし、実際に切る遊女は少なかったらしく、
贋物(模造品)の指(死人の指を切り落としたもの)が出回ったらしい。。。

(ひぇ~~~Σ(・ω・ノ)ノ!それも凄い)

そしてこの「指切」が一般にも広まって、
「約束を必ず守る」という意味へ変化したといわれてます。


★★★


「太夫」と「格子」という位は道中を行うことができましたが、
遊ぶお金がかかり過ぎ、手間もとてもかかるので次第に廃れていきます。

その後「散茶」という位が最高位になりました。

太夫・格子が廃れたので揚屋遊びも廃れ、
引手茶屋で遊ぶか直接遊女屋に行くような安価な遊び方に変わったそうです。
当然「道中」も無くなるはずですが、その後は遊郭の花型イベントとして「花魁道中」が続きます。



「花魁」は「散茶」などの位の高い遊女のことを指しますが、
位の高い遊女全体を指すので固有の位ではありません。

※よく、年端のいかない禿(かむろ)が、「おいらの姐さん」と言っていたのがなまって(略されて)
=「おいらん」になったといわれますが、これは嘘だともいわれてます^^;;

諸説あるのでこれが正しいというのは私には難しいですが、
「花魁」とは「花の魁・・・(先駆け)」のことで、その時代の最先端の女性のことを言った
という説もあります。

人気のある「太夫」は、超人気有名女優や何かと同じでしょうか^^



それでも遊女は遊女。
その時代の年配者は、武家の奥方や裕福な商人の娘が遊女の服装や装飾品をまねているのをみて、
嘆いていたということもあったようです。




気が向いたら追記へGO!
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【花魁杏絵巻】2 太夫と町娘


【花魁杏絵巻】


この話の元になった素敵なイラスト&プロローグはコチラ➡ 【プロローグ】



***


これは失礼。

久方ぶりに、わたくしもこの絵に魅入られてしまいました。

さて、どこまでお話いたしましたかな?



そうそう、その昔――

吉原遊郭では、様々な年中行事が行われておりました。


茶屋がその軒先へ揃いの灯籠をいっせいに下げる

玉菊灯籠(たまぎくとうろう)の日もそんな行事の一つ。

若くして亡くなった遊女「玉菊」を弔うために灯籠を掲げるこの行事は、

普段出入りできない女性たちも見物に来ることが許されるのでございます。

しかしながら、誰でも――というわけにはまいりませんが。



前もって茶屋から手形を貰わなければなりません。

行きはよいよい、帰りはこわい。

手形を無くせば、遊女とみなされ

2度と出れなくなる決まり。

今で言う身元証明。往来手形でございます。


そのため

その日に限っては、遊女ではない女子(おなご)の姿をあちらこちらで見ることができました。



お客様、是非ともその昔に想いを馳せてくださいませ。



それでは――

そんなある日の出来ごとでございました。













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【花魁杏絵巻】3 若様の恋



【花魁杏絵巻】


この話の元になった素敵なイラストはプロローグから

 
【プロローグ】 【2】


*注*
歴史上の時代設定や呼称などは出てきますが、史実に基づいた歴史小説ではございません。
あくまでも番外編/歴史パラレルですので、完全にフィクションです。
そのおつもりでお読みください。








***




太夫の今宵のお相手は

九条藩藩主のご嫡男、神田陽之進(かんだ ひよのしん)様でございます。

九条藩は石高5万。

藩主様の神田直正様は、小藩ながらも城主大名でありました。


陽之進様ご自身は、書物を愛し、武芸に励む清廉な方。

大枚はたいて、自ら遊女と交わるはずもございません。



「お大名が列をなす」

そう囁かれている、天眼太夫の奥座敷――

持ち込まれる難題は悲喜交々(ひきこもごも)。

ひたひたと、蠢くものは欲と業。

陽之進様のお父上である直正様はその昔、天眼太夫に命を拾われたとか、いないとか。

その御縁が綿々(めんめん)と続き、

天眼太夫に信を置く父上様の命を受けて訪ねてくるのでございます。




今宵の話は恋の華――


決して叶わぬはずの、夢物語でございました。





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【花魁杏絵巻】4 月の影 華の闇




【花魁杏絵巻】



この話の元になった素敵なイラストはプロローグから

 
【プロローグ】 【2】 【3】


*注*
歴史上の時代設定や呼称などは出てきますが、史実に基づいた歴史小説ではございません。
また、病状の期間症状については個人差があるものです。
あくまでも番外編/歴史パラレル、完全にフィクションですので
そのおつもりでお読みください。







***


男と女の色恋に、昼も夜もございません。

それと同じく遊郭に、昼夜の区別はございません。

灯りが点り、通りが一番賑わう時刻は、

ひと夜の夢を求めた男女の情が行き交って参ります。

しかしまた、眩しき光を浴びたその後ろへ闇が出来るはこの世の常。


陽之進様も、まだ太夫の元に通われたばかりの頃――

そんな遊郭の闇を知ることになりました。



袖すりあうも多少の縁


巡り巡る人の縁とは、なんと不思議なものでしょう。

そしてこれが、陽之進様の未来に大きく係わろうとは

この時まだ、ご本人様も気付いてはおりませんでした。





気になりますか?


ではでは時を遡り、少しお教えいたしましょう。


陽之進様の報われぬ恋


想いを太夫に吐露した日から、二年ほど昔のことでございます。






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【花魁杏絵巻】5 望郷への約束




【花魁杏絵巻】



この話の元になった素敵なイラストはプロローグから

 
【プロローグ】 【2】 【3】 【4】 

*注*
歴史上の時代設定や呼称などは出てきますが、史実に基づいた歴史小説ではございません。
また、病状の期間・症状については個人差があるものです。
あくまでも番外編/歴史パラレル、完全にフィクションですので
そのおつもりでお読みください。






***





千里を見通す天眼太夫(てんげんだゆう)が、当代一の太夫と謳われ権勢を誇る少し前

空木太夫(うつぎだゆう)は、傾城と謳われる素晴らしい遊女でありました。


禿の頃より、その美貌を褒め称えられた少女の名は「さと」


のちに空木太夫と名付けられ、

唄も踊りも教養も 空木の肩に並ぶものなし

その誉れを一身に受けていたのでございます。



空木は花の名

白い小花が幾重にも連なり、慎ましくも可憐な春の花。




そのお方が天眼太夫とどのような間柄であったのか

少しお話いたしましょう。




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【花魁杏絵巻】6 業火の残り火




【花魁杏絵巻】



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歴史上の時代設定や呼称などは出てきますが、史実に基づいた歴史小説ではございません。
あくまでも番外編/歴史パラレルですので、完全にフィクションです。
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神田の若様とおゆな様が実らぬ恋に身を焦がし、眠れぬ夜を数えている頃

強面の男たちが、町はずれのあばら家に出入りをはじめておりました。


人目を忍ぶように集う男たちの姿は、まだ誰にも見咎められずにおりましたが

江戸市中で時折上がる火の手は

暫く静まっていた大事の前触れでしょうか。


しかし玉菊灯籠の夜が明け、お江戸は夏の盛りを迎え

町も人も心なしか浮かれているようでございます。

憂いているのは天眼太夫――

そして、それをよく知る男がひとり。


天眼太夫の気がかりは、外れたことがございません。

その事件はまさに太夫の「気がかり」によって

大きな運命の輪へと続いていくのでございました。






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【花魁杏絵巻】7 誓願の手紙




【花魁杏絵巻】



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【プロローグ】 【2】 【3】 【4】 【5】 【6】


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歴史上の時代設定や呼称などは出てきますが、史実に基づいた歴史小説ではございません。
あくまでも番外編/歴史パラレルですので、完全にフィクションです。
そのおつもりでお読みください。






***






火事と喧嘩は江戸の華

そう語り継がれるほど多かった江戸の火事ではございますが

すべてを焼き尽くす火災は、人の嘆きを生むものに違いはございません。



おゆなさまのご実家である鳴澤屋はあの晩

大音を轟かせ、一夜にして全てを焼き尽くされてしまったのでございます。

御両親のご無念

おゆなさまのお嘆きは いかばかりか――

察するに余りあるもの。


そのお気持ちに寄り添うように

天眼太夫と修衛門もまた、苦い思いを噛み締めておりました。










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【花魁杏絵巻】8 天眼の配剤




【花魁杏絵巻】



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あくまでも番外編/歴史パラレルですので、完全にフィクションです。
そのおつもりでお読みください。






***






天眼太夫を突き動かしたものは、何であったのでございましょう。



先に逝く者、残される者

親の愛、人の情


幾重にも重なる人の縁(えにし)が

漆黒の闇を煌々と照らして燃えさかる炎のように渦を巻き

幸せにと願う想いを舞いあげて

その頑なな運命の歯車をも、動かしていったのでございます。








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【花魁杏絵巻】9 夢の華




【花魁杏絵巻】



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【プロローグ】 【2】 【3】 【4】 【5】 【6】 【7】 【8】 


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歴史上の時代設定や呼称などは出てきますが、史実に基づいた歴史小説ではございません。
あくまでも番外編/歴史パラレルですので、完全にフィクションです。
そのおつもりでお読みください。






***







太夫の文を読んだ後

おゆなさまは、太夫がしたためたそのお気持ちに涙を流たそうでございます。


また、太夫の計略を知った陽之進様は目を見開いて絶句されておりました。

それでもおゆなさまのご無事を知ると、ことのほか喜ばれたそうでございます。



その頃――

陽之進様とご縁談の運びとなっていた

戸倉様が家老を務める佐野藩内部でお家騒動が勃発したのでございます。

家老である戸倉様も奔走し、ご息女様の婚儀どころではなくなってしまわれました。


その騒動はひたひたと長引き

いつの間にか御縁談も霧に隠れてしまったのでございます。




陽之進様のお父上、直正様が世継ぎを憂いていたこともあり

その後も多くの縁組話が持ち上がりましたが、陽之進様は頑なに譲らず――


時が来るまで黙して動かじ


天眼太夫も直正様に、必ず天恵の姫君が九条藩に現れると説き伏せたそうでございます。





そしてあれから月日は流れ

約束通り、三年の歳月が過ぎてゆきました。






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【花魁杏絵巻】10 エピローグ 絵画の待ち人




【花魁杏絵巻】



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飾り12



エピローグ


*絵画の待ち人*






年寄りの戯言に、随分長いこと付き合わせてしまいました。



お気に召して頂けましたか?

それならば幸いでございます。

随分と日が暮れてまいりました。


そろそろ閉館の時刻。

夜路にお気をつけてお帰り下さいませ。


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【花魁杏絵巻・外伝SS】 待ち人来たる


「また吐いちゃった」×「つらつら椿」×「優芽の樹」

連動企画

2月14日はチョコの日
敬愛するチョコ様に捧ぐ  Happy Birthday To Choco

花魁外伝

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